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等身大の時代へ

スケールを追い求めてきたこれまでの志向性がいろいろな面から限界を迎えてきた現代においては、等身大の目線が一層重視されることになっていく。

外へ外へから、内への転換。内省的に足元を見つめることは、これまでわかっているつもりで、実は最もわかっていなかったわれわれ自身に着眼していくことに他ならない。

そして、今後大きく浮上していく「第4のS」があるとすれば、それは①高齢化の中でその規模が急速に拡大している福祉・医療(ないしケア)、②様々な対人サービス、③自然エネルギーなどを含む環境関連分野、④文化、まちづくりやデザイン、⑤農業等といった領域であるだろう。そして、読者は気づかれたと思うが、いま指摘したような領域は、実はいずれも一定の「場所」や「コミュニティ」に根ざした基本的に「ローカル」な性格のものであり、つまりこれからの時代は、経済構造の変化という点からも「ローカル化(localization)」が進んでいく時代なのだ。

情報源: 「資本主義の未来」の姿〜日本に残された最大の課題とは?(広井 良典) | 現代ビジネス | 講談社(2/5)