something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

誰が先頭になってそれを切り開いていくのか

新しいことは魅力的な反面、どうなるかわからない不安の要素も併せ持つ。不確定性はリスクなので、避けたいと考えるのが人情だ。

つまり、新しいこととは、迫られてやるのか、それとも自身の探求としてやるのかで大きく異なる。イノベーションが叫ばれて久しいが、どうも一般に流布しているイノベーションとは、前者であることが多いように思われる。

要はやりたいかどうかではなく、社命としてやらねばならないというロジックにあたる。そうなってくると、いわばやりたくないけれどもやらなければならないという逆説的な状況に追い込まれ、渋々とそれに取り組み、やっぱりうまくいかなかったというネガティブスパイラルにはまる。

新しいこととは、やらされてやるという思考と概して相性が悪い。マイナスをプラスに変えるのはとても労のかかる問題なのだ。

もちろん外部から新しいことを求められ、それがうまくはまって好転することもあるだろう。しかしやはりこの場合にも、そこに腹落ちがあることが前提だ。つまり、いったん自身の問題として咀嚼、消化されてはじめて、新しさが具現されていく。

人々に製品やサービスを提供するということは、そのユーザーの人生に影響を与えるということです。提供されたものの意味がよいかどうかを決めるのはユーザーですが、人々が望むものが必ずしも彼ら自身によってよいもので、必要なものとはいえないのです。ものごとの意味を刷新しようとするとき、それが道徳的に適切かどうか、意味を提供する側が吟味しなければなりません。
1つの方向を見ているときは他の方向が見られないのです。アイデアが目前にあっても認識できないとはそういうことです。これを避けるには、かけている眼鏡を変える、つまり異なるフィルターをつかむことです。ものごとを批判的に見つめ、アイデアを見直すのです。

情報源: 自分のアイデアから始め、それを批判的に見つめ直す [ロベルト・ベルガンティ] | ISSUES | WORKSIGHT