something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

レビュー:多数決を疑う 社会的選択理論とは何か を読んで

わたしたちは、多数決をあたり前だと思っている。 民主主義とは、わたしたちの意思の反映であって、そのツールが多数決なのだと。 しかし、その一方で、多数決を無為だと思っているのも事実だ。 結局は、個々の意思など大して意味はないのだと。 たしかに、…

レビュー:プレイ・マターズ 遊び心の哲学 を読んで

遊びとは何か? そもそも、遊びとは一段低くみられていることもあって、それほど真剣に考えられることもないのだろう。 しかし、遊びには別の意味もある。たとえば、物と物との干渉を和らげるためには、一種のあそびが求められる。あそびがあるからこそ、う…

人間を含めた効率と人間に資する効率 効率化のふたつの視点

効率とは善なのか? また、人間とは多様なものか、それとも不確実なものか? この辺の見極めを誤ると、大筋を違えることになるだろう。 人間とは、多様であり、同時に不確実だ。つまり、優位性と劣位性は表裏一体のものであり、これを切り離して考えることは…

レビュー 時間は存在しない カルロ・ロヴェッリ著 を読んで

「時間は存在しない」衝撃的な題名だ。 我々はあたり前のように時間の中を生きていると思っているし、時計を使って時間をきっちりと計っている。では何ゆえに時間は存在しないのか。 要するに、われわれがこれまであたり前として捉えてきたような意味での「…