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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

高尚さなどいらない

とかく人間は複雑なものほど意味があると思い込む傾向があるが、言葉による言明ひとつとっても、小難しい表現よりも、かんたんな表現ほど的をえているものだ。 むしろよくわからないからこそ、回りくどい言い回しを使ってそれをごまかそうとする。 いらない…

スケールメリットが効く領域での戦略

収獲逓減か収穫逓増か。工業社会かインターネット社会か。20世紀型か21世紀型か。 急いては事を仕損じる。スピード優先社会で誰もが功を焦る状況だからこそ、ためが必要な領域の見極めが問われている。弓を引き絞るが如く、十分なためがなければ必要な力は引…

経験の罠

見えるものを見ようとしないことは批判され、見るべく努力することが求められるが、そもそも見えないものは話題に上るはずもない。 われわれの認識や理解は経験をもとに構成されるのであるから、もっと経験を積めというのは道理ではある。一方で経験からは導…

スピード時代へのアンチテーゼ

スピード信仰によって、われわれは我慢ができなくなってしまっている。圧倒的な物量によって強制的に押し流されていることが、あたかも充実したものと錯覚しているともいえるだろう。 広く薄く、全体的に雰囲気をつかむだけであればそれで事足りるが、一方で…

スケールが変われば結果も変わる

ありがちな常識は、これまでのスケールで計測した場合の妥当を意味する。そのスケール自体が変われば、当然導かれる結果も異なることになる。 格差も国内問題と世界問題では意味するところが違い、同じ次元では測れない。 著者は、「グローバルな不平等を読…

言葉って奥が深い

言語は単なる手段ではなく、言語を通じてわれわれの認知体系(世界)が形成されているともいえる。 言い換えるなら、言葉を適当に扱っている人は、自身の世界も適当にしかつくり上げられないということにもなろう。 その意味では、一生言葉と真摯に向き合う…

思考の編集

紡ぐーかけ合わせて一つのものに纏め上げていく アイデアや発想はもともと断片的なものであり、それを形にしていくということは、地道な積み重ねとして個々の気づきを織り上げていく作業とも言い換えられる。 意外性というと周囲とは不連続の独立したものと…

ネガティブに浸食されないために

ネガティブらしきものをそのままにネガティブとして受け取ってしまった時点で負けだ。世間では一般的にそれをネガティブというかもしれないが、少なくとも自分にとってそれが真に正負いずれであるかは、けっきょくのところ自分が決める問題である。 不確実性…

もうモノでは満足できない

かつてはモノを手に入れること自体で達成感があったが、現在はモノに振り回されるのはかっこよくないという認識に変わってきた。つまり、いつまでもモノを追いかけるビジネスモデルでは通用しないということだ。 ではモノの先に何があるのか。生活という時間…

発想を飛ばす一つの着眼点

経済効果が測れないとはいえ、少なくとも企業イメージや社会的役割に資するという意味で無駄ではない。とかく販売を増やすにはという一本調子の思考に囚われやすいところを、無機的な自販機から有機的なコミュニティ存在に進化させる点が面白い。そこに次な…

それは定規で測るべき対象か

平均化、一般化、標準化。われわれは物事を端的に表現する指標を多く獲得しているが、その対象がいわゆる定規にあてはめるかのごとく分別できるかどうかはまた別の問題である。 グロスで物事を見ることは大事だが、同時にグロスで見落としてしまう意味内容も…

負け上手こそが戦略 常に次を考慮に入れる

競争では勝つことがあたりまえの目的になっているため、負けることを想定することは存外困難である。 しかし永遠に勝ち続けることはできない以上、いかに負けるか、上手に負けるかが実は総合的に見たときに肝となる。 「勝負」というものは、“最終的に生き残…

生産性という軸では埋められないもの

とかく人口減少には生産性の向上で対処するといった話が聞かれるが、それではマイナスを埋め合わせてゼロに戻すといった発想の域を出ない。 これは物量思考であって、20世紀のレベルを維持するにはという発想だ。しかし、そもそも物量がそれほど重視されない…

相手の声を聴くことがデザイン

デザインは対話であり、対話がデザインを意味する。 そう考えると、対話のないビジネスはないように、デザインのないビジネスなど考えられない。 彼は「デザインとは基本的に世界をより良いものにする社会的行動である」と信じている。だが「それと同時にビ…

効率的で手間をかけないのが正解か

これまでの経済原則からすれば、効率的で省力化がベストかもしれないが、同時にその発想で失われる人間力というものがある。 仕組みを正すのももちろんだが、仕組みに囚われず生き抜ける耐力が問われているのかもしれない。 今世紀半ばまでには大多数の国で…

もっと貪欲になる

二者択一ではなく二者両得は可能か。どちらかではなく、次元の異なる第三の方法はあるか。下手な効率化は思考停止を招く。論理だけではなく思考の切り替えの柔軟性が差異を切り拓く。 ほとんどの企業は戦略や文化を決める際、「どちらか一方」を選択しようと…

知性の未来(フューチャーオブインテリジェンス)

インテリジェンスも時代に即応して変化していくもの。なんとなく主体に付随するものとしてインテリジェンスをとらえているが、その主体そのものが揺らいできたとき、果たしてインテリジェンスは個人の問題で済まされるのか…。 金井 AIに特化しているというこ…

人が枠を決めるのか、枠が人を決めるのか

いわゆる常識というフレームは、通常意識に上ることもなく、自然となじんでしまっている。それを疑うのは当然に困難を伴うだろう。 人が先か、フレームが先かの議論は問題のすり替えかもしれない。なぜならわれわれがフレームをつくり、同時にそのフレームに…

情報化はつながりの質を変えるのか

ネットワーク、つながりの閾値は下がったが、相手のある関係性は、単純に生産性だけで処理する考え方は通用しない。そもそも効率や生産性は発信側、作り手の論理だからだ。 相手がどう受け止めるか、そこに温度感のようなものがあるからこそ、現場という立ち…

適正指標は存在するのか

市場化を進めれば、確かに効率的に適正水準なるものが導き出されては来るが、一方でその流動性こそが不安定の元凶ともなる。 適正とはかように定めがたいものであるし、そもそも何をもって適正と見なすか、どちらかといえば環境条件との応答を通じ相対的に導…

対極が惹きつけ合う

豊かさゆえに「空」が意味を持つ。プラスを追い求める大勢ゆえにマイナスが効果を発揮する。 転換期には価値の機軸を逆転させてみると、見えなかったものが見えてくる。 仏教、特に禅の教えは何かを「得る」ための手段ではなく、むしろ何かを「失う」ための…

環境が基礎条件をつくる

われわれが意識するしないに関わらず、依って立つ環境の有利不利は必然的に生じている。ならば環境に敵対するよりも、環境を懐柔するのが事を進めるにあたっての最低ラインにあたる。 しかし、その環境因子に実際は気づけていないのが一方の現実としてある。…

ネガティブかポジティブかはあなたが決める

未だ世紀末からの悲観的空気を引きずっている現代ではあるが、考え方ひとつで物事の意味合いは180度変化する。 一見して不利な状況だからこそ、チャンスがそこには潜在する。ポジティブとネガティブは背反ではなく、ものごとの裏表にすぎないのだ。 落語「長…

等身大の時代へ

スケールを追い求めてきたこれまでの志向性がいろいろな面から限界を迎えてきた現代においては、等身大の目線が一層重視されることになっていく。 外へ外へから、内への転換。内省的に足元を見つめることは、これまでわかっているつもりで、実は最もわかって…

ルールを自分のものとする

ルールに縛られる、ルールに守られている、といったように、ともすると私たちは与えられるルールに粛々と従うことを善しとしてきた。一方で、将来をつくり出すということは、ルールづくりをも含めたトータルで、道筋を切り拓くことともいえる。 とかく基準を…

意味をつくり出す

人が介在するのには相応の意味がある。もちろん、無条件に自ずと意味があるのではなく、意味をそこにつくり出せるかどうかが問われている。 意味を与えられる側ではなく、意味を与える側に立っていれば、ロボットに仕事が置き換えられるといった無用の心配を…