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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

コミュニケーション

ブックレビュー アナログの逆襲 デイビッド・サックス著 を読んで

アナログは死んだのか、それは無用の長物に成り下がったのか。 本書ではアナログの復活を通じて、アナログでなければならない必然性に光を当てていく。 取り上げられるものは、レコード、紙、フィルム、ボードゲーム、プリント、リアル店舗と多岐にわたり、…

鏡像からの気づき、問題の解消から昇華へ

自分と相手を対決の構図とみれば、どうしても自分側に立って事実を解釈しがちなのが人間というものだ。しかし、相手にとって見えている私という鏡像で、自己を真逆から捉えることができれば、見える世界も変わってくる。

錯覚としてのコミュニケーション

分かり合えないにもかかわらず、それでも分かりたい、分かろうとする矛盾がコミュニケーションにはある。 その意味では、コミュニケーションをコントロールすることはできないと真摯に捉えるべきかもしれない。できることはさも通じているかの如くキャッチボ…

なぜモノベースではダメなのか

顧客はドリルが欲しいのではない、穴をあけたいのだ、といった認識の乖離の話は何度も聞かされている。ではなぜそうした事態が改まらないのか。 結局はコミュニケーションを前提としているか否かで大別できる話だろう。要するに「提供」と称して受け渡してク…

そこに五感を刺激するものはあるか

いかに売るか、どう省力化して効率良くするか、そういった問題認識には決定的に五感が欠けている。 もちろんモノを得てそれで十分満たされる時代もあったかもしれないが、現代はそこに愉しみがあるかどうかが大きな分かれ目となる。人間を惹きつけるものには…

言葉って奥が深い

言語は単なる手段ではなく、言語を通じてわれわれの認知体系(世界)が形成されているともいえる。 言い換えるなら、言葉を適当に扱っている人は、自身の世界も適当にしかつくり上げられないということにもなろう。 その意味では、一生言葉と真摯に向き合う…

単なる手段で終わらない

広告は商品を訴求する手段であるが、それを単目的のそれだけのものにとどめるのか、それともより発展性のあるコミュニケーションツールに引き上げるのか。 旧来の広告が飽きられている、むしろ邪魔な存在とすら見なされている現代においては、すでに広告では…

下手な効率は野暮な短絡

ネットをはじめとして、物事が効率的であるのを最優先にする風潮は、思考の豊かさを奪っていく。 むしろ「考える」ということは、効率とは真逆の、非常に手間のかかる、いや手間をかけることにこそ意味を見出す行為であるだろう。 杓子定規な効率化は百害あ…

コミュニケーションの濃淡を使い分ける

濃密な関係性は信頼度はあるものの、現代においてはやや窮屈でもある。適度な距離感、温度感のつながりがウケているわけで、何をおいてもまずは敷居の低さが行動のきっかけとなる。 選択的コミュニケーションの時代にあっては、それらの濃淡をとらえ、活かす…

肯定の対立と否定の対立

意見をベクトルの足し算で考えるならば、正反対のベクトル同士は打ち消し合ってゼロになる。一方で、同等な力が正対しぶつかり合う試合と考えると、その衝突は大きなエネルギーを発し場を盛り上げる。 対立がいいか悪いかではなく、多様性を担保することは対…

人間行動はどこまで科学で解き明かせるものなのか

人と人とのかかわり、ネットワークの重要性は今更繰り返すまでもありませんが、こうした、従来であればヒューマンファクターとして定性的にのみ捉えられていた領域に対しても、ビッグデータや情報技術の高まりによって定量化の道筋が見えてきたようです。 人…

伝わるの先に目指すもの

細かな違いですが、「伝える」とは意志的なものである一方、「伝わる」とは事実です。キャッチボールの関係性でいえば、伝え手志向に対する受け手志向の違いと言い換えることもできます。 「伝えた」といえば、それも事実ではないかといわれるかもしれません…

ITでは満たすことの難しいリアリティ

ビッグデータをはじめ、今やデータ全盛の時代である。データを駆使すれば、できないことはない、見えないことも見えるようになる。まさにデータ様さまである。 一方、データのようにきれいに割り切れないのが人間が人間たるゆえんともいえる。本来はビジネス…

伝わるとはどういうことか?

コミュニケーションの重要性など今更強調するまでもありませんが、伝わらなければそれは存在しないのと同じことです。 説得力の源泉となるのが、ロジック(論理)、エモーション(感情)、トラスト(信頼)です。これら3つの要素を聴き手に届けることができ…

メディアの働きを見直す

情報ツールのあふれた今だからこそ、メディアの意味合いをより鮮明に理解できる機会ともいえます。 メディアとは、言い換えるなら接点をマネージするものといってもいいでしょう。 重要なのは各媒体の「メディア性」を把握すること。テレビ、新聞、雑誌、ラ…