ドリブン、駆動力
時代の求めるものが変化している。それは数よりもスピードだ。 これまではスケールメリットを生かして物量で勝負するというのが定石だったかもしれない。しかし、変化の激しい時代、また顧客が待てなくなっている、せっかちな昨今では、時間がより希少な資源…
美学的にみて、答えは一つとは限らない。最短経路でスバっと解を導くのも一つの美学なら、紆余曲折しながら、むしろその過程を愉しむのもまた一つの美学の在り方だ。 経済性という指標はどうしても単一の最もわかりやすい形を良しとする傾向がある。良しとす…
人間の進化を支えてきたものが、未知への興味であることは、感覚的に納得できるものである。しかし一方で、変化を忌避したいとの気持ちも、人間の本性としてある。ではこの不整合をどうすべきか。 壁を越えてでもそれに向き合おうとする意志が希少だからこそ…
変わらねばならない、またかと思うほど、聞き飽きた言い回しだ。そんなことはわかっている、だけどできないんだから仕方ないだろう、というのが本音ではないか。 結局、変わらない、変わりたくないということは、そのほうが個人的にメリットがあるという単純…
本質ありきという考え方は、ある種の正解を求める思考と共通するので、かえって発想を狭めてしまう可能性をはらんでいる。 原因と結果という帰結でものごとを「わかりたい」という欲求はわからないでもないが、何でもかんでも分かることから始めようとすると…
中間層が社会の安定化に寄与しているように、中動態の厚みが組織行動の芯を培うのかもしれない。 意思決定というととかく先鋭化された、切れ味の良い、大胆なものがもてはやされがちであるが、能動でもない受動でもない、中庸な領域に、意思決定を受け、それ…
スピード感が勝負となる現代にあって、変わらないという選択肢はない。その一方で変わりやすさは脆さも内にはらんでいる。変わるか変わらないかの二者択一ではなく、上手に変わるには、時間をかけた習熟が欠かせない。 「生物における進化というものは、私た…
「端的に表現する」とは簡単なようで奥が深い。特に日本語の場合、文脈や背景にかかる含意が多分に含まれるため、ただ論理的であればそれでよいとは単純に割り切れない。 表の文面と、裏の意味世界、相互の擦り合わせの妙。想像力が思考をたくましくする。 …
無駄であるのと、無駄にするの違いはなんでしょう。また、意味がないのと、意味を見出す努力をしていないのでも大きく異なります。失敗という問題も、これらと同様に、いかに認識するかに課題があるものです。 真に新しいイノベーションは、数々の失敗のもと…
ものづくりへの偏重への自戒を込めてことづくり、コトへの転換を説く議論はずいぶん言い尽くされてきたところです。しかしいまだそれが問われ続けているということは、ものづくり思考からの脱却が思うように進んでいないということでしょう。 西欧の二分法が…
言葉や表現というのは、日常的にそれほど意識せずに使っていることが多いですが、時折立ち止まって、何を言わんとするのかを問い直す必要のあるものです。理念に始まり、ビジョンも戦略も、コンセプトもみな、あたり前ですが言葉で表現されるものです。 何と…
技術といったとき、初めに思い描かれるのは何らかのモノ(製品)をイメージされるのが通例かもしれません。しかし、技術が何に従属するのかという原点に立ち返ってみれば、モノに従属する技術というよりも、人に従属する技術という視点が浮かび上がってくる…
あいまいな言い方かもしれませんが、ビジネスに対する距離感というものが、その成否における大きな判断材料になります。 科学的、客観的分析においては、対象に向かって一定の距離を保つことが推奨されます。第三者的目線と言い換えてもいいかもしれません。…
個の尊重を注視するあまり、自分という枠に囚われるという弊害が生じることになります。 「成果をあげる秘訣とは、ともに働く人たち、自らの仕事に不可欠な人たちを理解し、その強み、仕事のやり方、価値観を活用することである。仕事は、仕事の論理だけでは…
単体でドリブンと言われても、イメージがつきにくいものです。あまり一般的ではありません。それでも最近はキーワードの一部にドリブンがちらほら認められるようになってきました。 平易な意味解釈としては、ドライブ(動きある)状態といった感じでしょうか…