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意思決定を支えるもの

中間層が社会の安定化に寄与しているように、中動態の厚みが組織行動の芯を培うのかもしれない。

意思決定というととかく先鋭化された、切れ味の良い、大胆なものがもてはやされがちであるが、能動でもない受動でもない、中庸な領域に、意思決定を受け、それを具現していく仕組みが備わっているように思われる。

私たちは強い意志を持って行動し、その責任を取る自己を求められる。だが、私たちが生きる世界はそれほど明確に成り立っているわけではなく、私はそれほど自由な主体ではないのではないか。
古代ギリシアに「意志」という概念はなかった。中動態の動詞「生まれる、望む、思われる、現れる」は、自由な意志による主体的な行為ではない。能動と受動の対で割り切ろうとする思考が抑圧した可能性が明らかにされる。 元の記事を読む http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20170508-OYT8T50035.html#csidxb0f70476c1e4b9f959eaf36e5d7bfb9 Copyright © The Yomiuri Shimbun

情報源: 『中動態の世界 意志と責任の考古学』 國分功一郎著 評・納富信留(ギリシャ哲学研究者・東京大教授) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)