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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2013-01-01から1年間の記事一覧

そのデータは何を意味するのか?

われわれは測りやすいものを重視するべきでしょうか。それとも測りにくいものこそ意味があると考えるべきでしょうか。 企業は、財務の数字を追うことに何時間も費やす。資産、負債、売上、コスト、そしてキャッシュフロー。だが、ほとんどの企業は、究極的に…

文化とは積極的につくりだしていくもの

文化とは極めてあいまいなもの、結果として醸成されたものというイメージがあるかもしれません。しかし、成り行きに任せていればおのずと形成されると安穏と構えて得られるものでないのも事実です。 当事者意識、責任感、継続的学習の3つを柱とした文化を持…

コンテンツとコンテクストは不可分の関係にある

日本は間の文化と言われます。明示的な対象よりも、それを支える背景の厚みが文脈として効いてきます。 従って言葉巧みに話すことが訓練されない代わりに「想う」ことについては本来、日本人は非常に長けている。「茶道」「華道」「柔道」という時の「道」と…

つながっているという事実を注視する

個の尊重を注視するあまり、自分という枠に囚われるという弊害が生じることになります。 「成果をあげる秘訣とは、ともに働く人たち、自らの仕事に不可欠な人たちを理解し、その強み、仕事のやり方、価値観を活用することである。仕事は、仕事の論理だけでは…

ダイアローグがもたらす果実

プロダクトよりもプロセス自体が問われるのが、現代の特徴といっていいでしょう。参画や体験というものにわれわれの選好の重心が転じてきたということでもあります。 成功を収めているのは、完璧な最終品を目指して黙々と作品に取り掛かる人ではありません。…

いいデザインほど気付かれない?!

デザインには2種類の考え方が存在します。 ひとつは際立った美しさを示すもの、もうひとつは周到に環境に溶け込み存在すら意識させないもの。 デザインの偉業の多くは気付かれない。あまりに出来がよいと意識されず、人は自分で問題を解決したり、何らかの進…

技術信仰と技術利用の違い

技術は優位性の源泉にもなりますが、手段であるということを忘れては成り立ちません。 「作り手の考えるよいもの」=「高機能の製品」という考えが日本の企業に刷り込まれてしまったように思えるのです。つまり、高機能製品を作れば売れるという考え方です。…

デザインにできること

組織デザイン、企業デザインが意味するところは、相手(他者)とのインタラクションをその中心に据えることだといえます。 人を巻き込みムーブメントを起こすためには、エンターテインメントやデザインが必要です。なぜならば、エンターテインメントやデザイ…

責任と使命をシェアすることの意味

得ることと為すことは本来連動しているものです。インプットとアウトプットのバランスで組織運営を見直すと何が見えてくるでしょうか。 従業員が顧客の情熱的な支持を得られるようにサポートしてあげることで、彼らに企業のミッションと成功の情熱的な支持者…

伝わるとはどういうことか?

コミュニケーションの重要性など今更強調するまでもありませんが、伝わらなければそれは存在しないのと同じことです。 説得力の源泉となるのが、ロジック(論理)、エモーション(感情)、トラスト(信頼)です。これら3つの要素を聴き手に届けることができ…

意志決定から逃れることは可能なのか?

情報技術の進展とともに、集合知を活用した予測市場という考え方が広まってきました。 市場原理を活用して、ある意味で意思決定の自動化を進める取り組みといっていいでしょう。 経営者や専門家が将来を決定するのではなく、全ての従業員が投資案件やアイデ…

リーダーシップと個の役割

日本人が苦手とする当事者意識というものをいかに涵養していくか、昨今のソーシャル性の高まりは私たちにこうした問題を突きつけています。 コミュニティーオーガナイジングにおけるリーダーシップの考え方は、「不確かさのなかにあっても、人々が共有する…

多様さと簡潔さの相関

雑音とハーモニーの違いはどこにあるのでしょうか。 多いということは決して悪いことではありませんが、多くのエッセンスを束ねる芯があるかないかで状況は大きく変わります。 アイディアの研磨は、多様な価値観と視点を持つメンバーからなる学際チームで徹…

メディアの働きを見直す

情報ツールのあふれた今だからこそ、メディアの意味合いをより鮮明に理解できる機会ともいえます。 メディアとは、言い換えるなら接点をマネージするものといってもいいでしょう。 重要なのは各媒体の「メディア性」を把握すること。テレビ、新聞、雑誌、ラ…

組織形態は一つとは限らない

組織とは、その目的とするところによって変わっていくものです。むしろ状況の変化に鑑みれば、意識的に変える必要があるといってもいいでしょう。 不確実性の時代、僕たち人間は、もとより得意としてきた中央処理型の利点を生かしつつも、得意ではない分散型…

デザインは形だけでいいのか?

デザインというとどうしても見栄え、表層に関心が向かいがちです。 しかし、経営におけるデザイン、もしくは経営自体のデザインということで考えるならば、デザインが意図するところはもっと大きく考えていくべきです。 デザインマネジメントとは、長期的な…

競争をどう位置付けるか?

競争とは、ただ勝てばよいというものでしょうか。 競争が持っているもともとの意味には『共に』というエッセンスが含まれます。 「競争」を意味する英語のcompetitionはラテン語のcompetereに由来し、「共に努力する」を意味して、私たち一人ひとりが互いに…

インサイトが意味するもの

インサイトというとどんなイメージを持たれるでしょうか。 一般にはマーケティング的な側面で、顧客の潜在的なニーズをくみ取るといった使い方が多いかもしれません。ここでは、マネジメントを行う側の意識としてインサイトをとらえなおしてみたいと思います…

ビッグデータと技術志向

科学と技術の関係については、20世紀の科学の進展が、科学に基づく技術という思考を確たるもの、ゆるぎなきものにした感があります。 いまでこそ、科学技術とも称されるように、科学と技術が連動している、科学をベースに技術が体系だてられることがあたり前…

ビッグデータとインテリジェンス

インテリジェンスの考え方の基本には、情報を征するものが世界を征するといった発想が連綿と続いているように思われます。これは言い換えれば、情報が貴重 資源であって、それを専有できるかどうかで勝負が決まるということです。しかし、ビッグデータへのア…

ビッグデータとつながり

ビッグデータの優れている点はどこにあるのでしょうか。それはデータの中に埋もれている、われわれが思ってもみないような関係性を浮き彫りにしてくれるところです。いわばデータ版のつながりマネジメントといってもいいかもしれません。 これまでいろいろと…

顧客の位置付け 非コントロールなもの

マネジメントは一般的にコントロール中心の概念ですが、最近のソーシャル性の高まりは、コントロールという発想の枠に当てはまらない、非コントロールの領域を強く意識させます。 ここでコントロールということを見直していきますが、それは、自らを核とする…

出発点としての競争

キョウソウと聞いたとき、はじめにイメージされるものは、一般的な「競争」という考え方でしょう。競争戦略だったり、企業間競争だったりと、特別に新しい ものでも、特異なものでもありません。しかし、これは日本社会の特性のあるのかもしれませんが、どう…

サービスデザインの視座

日本におけるサービスのイメージは、接遇やおもてなしなど、ヒューマンタッチの領域と見なされる傾向が強いかもしれません。しかしそれは一面的な特徴を捉えているにすぎません。 ビジネスとは元来、人と人とのつながり、ネットワークをベースに形成されると…

起点としてのデシジョン

デシジョン(意思決定)はマネジメントにおいて必須の要件です。もちろんわれわれはそれほど意識もせず日々意思決定を行っています。マネジメントを体系だてられたプロセスにしていくためには、このデシジョンを意識的につくり込んでいく必要があります。 は…

デシジョンと7つのDとの相関関係

アドバンスト・デシジョンを新たなデシジョンの体系として位置付けたところですが、デシジョンの役割を明確にするためにも、それ以外のアプローチとの相関を見ていきます。 ここでは7つのDとしてコアエッセンスと位置付けている、デザイン、ダイナミック、…

インタラクションとソーシャル性

インタラクションは日本語でいう相互関係です。それだけですとあまり特徴が見えてきませんので、関係性をマネジメントで扱う意義を整理しておきたいと思います。類似の概念として、『チームとコラボレーションの関係性』でも関係基盤の活動を取り上げていま…

エコシステムとしての理解

産業水準の高度化や消費社会の成熟とともに、企業体単独での論理にも限界が見えています。また、情報環境の充実によってビジネススピードが加速していることも、ネットワークを生かした柔軟な取り組みを要請しています。 このように、自社中心の考え方から一…

インテリジェンスを超えて ネクストインテリジェンス

(注)ここで提起するインテリジェンスとは、従来型のインテリジェンスコミュニティを 形成してきた軍事、外交領野のインテリジェンス理解とは一線を画すものです。一般的なビジネスへの応用では、一歩踏み込んだ領域までをインテリジェンス課 題と理解すべ…

チームとコラボレーションの関係性

コラボレーションとインタラクションは類似のものと理解されているかもしれません。ここではそれぞれを特徴づけて分類していきますので、別途『インタラクション』も参照してみてください。 コラボレーションは、同一の目的に向けて一致協力する姿というのが…