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ビッグデータとつながり

ビッグデータの優れている点はどこにあるのでしょうか。それはデータの中に埋もれている、われわれが思ってもみないような関係性を浮き彫りにしてくれるところです。いわばデータ版のつながりマネジメントといってもいいかもしれません。

これまでいろいろとつながりの重要性については表現してきましたが、それは基本的に人間と人間、ないしは組織と人間を中心としたものでした。大きなスケー ルでは、組織と組織や組織と社会も含まれますが、この場合も組織をひとつの意思決定主体として、人間に類する認識をあてはめたものです。 つまり、主体性をもった者同士がいかに連携、協働、コミュニケーションしていくかという観点です。キョウソウもまさにこの文脈で位置付けられます。

これに対して、データのつながりは、人よりはモノに近いものですが、いわゆるマニュファクチャリングの管理とも異なります。これまでの人間活動、マネジメ ントは、基本的に見立て(ロジック)に基づいて運営することを前提としてきました。主導権は主体に委ねられてきたといってもいいでしょう。

一方、いわゆるビッグデータのもたらす潮流は、慣れ親しんだロジック主導のアプローチを無効なものとします。われわれの問いかけをまったく無用にするわけ ではありませんが、従属するデータという発想とは一線を画するものとなるでしょう。むしろデータが先導する未知なる世界観が描出されはじめたということで す。 このデータが牽引する新たなつながりへの気づきは、これまであたり前としてきた主体性を中心に描き出されるつながりというイメージに、まったく別の観点から光を当ててくれる可能性があります。