something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2015-01-01から1年間の記事一覧

創造の罠

何か新しいものを見出そうとして意図的に創造するのか、それとも思ってもみなかった事態に際して窮余の策として創造せざるを得ないのか、このふたつには認識に大きな隔たりがあります。 人間はとかく自らのコントロールによる帰結を善しとする傾向があるため…

不確実なのはラッキーなことである

不確実というと、『不』が示す通り、一般にはネガティブなワードに分類されますが、ほんとうにそう言い切れるでしょうか。下記にもある通り、不確実だからこそ、経営や意思決定ということに取り組む意義が見出されるという見方も可能なはずです。 近代に移行…

これからのコスト管理が目指すべきもの

対象がモノなのかサービスなのか、それは完結を善しとするか、継続を善しとするかの違いとも言い換えられます。 モノとして独立している場合は、帰属が一意に定まりますから、受け渡しの終了がプロセスの帰結に直結します。一方のサービスでは、主題がその過…

何が変えられるものなのか、それは本当に変えるべき対象か

ものごとには変えられるものと変えられないものがあります。また、変えるべきものと変えるべきでないものという線引きも存在します。 あたり前と思われることにも、実は根拠のない前提に囚われている可能性が否めないものも多くあることでしょう。思考の慣習…

クリエイティブは境界を使いこなす

前提、概念、思い込み、わたしたちは意識せずとも一定の認識理解の枠組みに沿って思考を進めているものです。それがいかにも絶対的で確固たるものであるかのごとく勘違いして。 クリエイティビティとは「既存の枠にとらわれれず考える」ことだと言う人がいる…

引き算がもたらす余地の可能性

押してダメなら引いてみろとは言い得て妙で、「発想の転換」が突破口となる場合もあります。考えようによっては、足すよりも引くほうが高等技術です。一見すると不完全なものに可能性というプラスアルファを見出す解釈もできるでしょう。 何事も自己完結させ…

責任に向き合うための方途 人格と行為はイコールではない

責任というテーマは誰しも避けられるならば避けたいのが本音かもしれません。しかし、責任の問題を回避するということは、自らの主体性を放棄するに等しいものです。社会的存在として認められることを善しとする以上、自己の役割から逃避することは叶いませ…

組織能としてのケイパビリティ

ケイパビリティの位置づけについては、いろいろな解釈があると思います。単純な語義としては「能力」ということでしょうが、マネジメントにおいては組織と密接にかかわる表現です。組織能と言い換えてもいいかもしれません。 組織に自ずと備わっているものと…

多様性の意味合いが変わってきた

完全なる同質性や完全なる異質性というものは幻想なのかもしれません。 二分論ではわかりやすさ優先で、同質か異質かを対置しますが、現実には共通項と差異が混在しながらそれぞれの特徴が構成されるといっていいでしょう。仮にまったく接点のないもの同士で…

直線がベストだと誰が決めたのか

自然と人工、いずれが優れているのでしょうか。われわれは道具を発明し、自然を改変し、優れた社会を生み出していると錯覚しがちです。しかし、長大な地球の歴史的英知からすれば、われわれが主に関与してきたスパンなど、ほんの些細な期間に過ぎません。こ…

ほんとうの意味で試行錯誤できる情況にあるか

試行錯誤とは含蓄のある言い回しですが、ミスが許されない世界においては必ずしも歓迎されない方法論かもしれません。加点法がいいのか、減点法がいいのか、一概に論じることはできませんが、前者が積極性と、後者が消極性と結び付く可能性は高いといえるで…

与えられるフォロワーか、自ら選びとるフォロワーか

フォロワーと言えば、どちらかというと受け身な追随者というイメージが強いかと思います。 リーダーはフォロワーがあってこそつくりあげられるものであり、リーダーひとりではリーダーたりえない。スゴイことをしている”孤独なバカ”を見つけたら、立ち上がっ…

終わりなきプロセスには相応の意味がある

一見矛盾するようなことですが、ものごとを突き詰めれば突き詰めるほど、次なる課題に気づいてしまうことがよくあります。線形の問題認識に絡め取られてしまっていると、問いに対する答えという一対一の相関があたり前だと考えてしまいがちです。しかし、そ…

リスクを自ら求めるべき理由とは

リスクとは御しうる中で最大の課題と言い換えることができるかもしれません。いずれにしても「課題」なわけですから、取り組むという選択肢はあっても、逃げ出すという選択肢はないはずです。 代わりの利かない、かけがえのない、非常に価値の高いものだから…

「営業」という表現はもはや時代遅れのもの

営業というと売り込むというイメージが強い表現ですが、現代の双方向性の世界では、一方的な営業というスタイルは時代遅れと言っていいかと思います。 今日の優れた営業は、顧客が目標を達成するために必要なことを気づかせ、それに応える。 優秀な営業担当…

その戦略に機動力はあるか

戦略の本分が現実を変えることにあるとするならば、一旦決めた戦略だから変えられない(戦略を定めた以上後はただそれを実行するだけ)という論理は矛盾をはらむことになります。 イギリスの国際政治学者のローレンス・フリードマンですが、彼が2013年に出し…

逆流するロジスティクス

歴史的にみるならば、工業化が集団としての企業、組織の役割を拡大してきました。それに引き続くサービス化においても、基本となる構造の大筋に変化はなかったといえるでしょう。そこには何らかのものを『提供する』という、一意の方向に沿ったロジスティク…

普通であることに意味はあるのか?

ありふれた表現ではありますが、普通とは何でしょうか。 どういった状態を指して普通とみなせるのでしょうか。 あまりに当然すぎる話で、かえって説明することは困難かもしれません。 ノームコアとは、「ノーマル」と「ハードコア」を合わせた造語だ。派手な…

都市というスケールはビジネスには不向きなのか

ものごとには外面と内面がありますが、時として外面に惑わされて本質を見失うことがあります。 建築主導の都市刷新の愚行を見れば、都市というのは建物ではないことがわかる。都市とはその人々なのだ。 本書の中心的な主題は、都市が人類の強みを拡大すると…

変える戦略、変えない戦略

目につきやすいという意味で、一般的には「変化」に注目が集まりますが、変化とは安定という対比軸があって初めてクローズアップされるものです。もし仮に変化ばかりであれば、それが常態であって、特段変化というものを意識することはないでしょう。 このよ…

選択というバランス感覚に正解はない

一挙両得か、二者択一か。前者であればそのまま突き進めばいいだけですが、後者であればいずれを優先させるかという選択が要請されます。よくwin-winの関係などと言いますが、それは理想形であって、現実には何を、どれだけ妥協できるかといった駆け引きが求…

あなたにとっての顧客はどこに位置付けられますか

対話は今も昔もビジネスの基本ですが、そもそも提供者と受容者という区分け自体が時代にそぐわなくなってきているのかもしれません。その意味で「対話」という形態も進化してきていますし、進化させていかなければならないということでしょう。 「ユーザーの…

グローバル化において「つながりやすさ」はどんな働きをするのか

グローバル化とローカル化は一見背反する事象ですが、コインの表裏の関係のごとく、切っても切れない関係にあるようです。一般には、前者が均質化を推し進めるのに対し、後者が局所化を際立たせるものです。テクスチャーとしてみれば、一枚岩なのか、まだら…