something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

矛盾社会序説 その「自由」が世界を縛る 御田寺圭 著 を読んで

世の中は矛盾にあふれている。本書で言われる「かわいそうランキング」とは象徴的な表現だ。みんながかわいそうと思ってくれる(=ニュースバリューがある)ものにはスポットがあてらえる一方で、それ以外は取り上げらえることもなく、その存在すら無きもの…

レビュー:まなざしのデザイン <世界の見方>を変える方法 ハナムラチカヒロ著

われわれはとかくデザインを対象物の属性として理解している。一方で、人間の認知という仕組みを厳密に考慮すれば、たとえ同じ現象や対象物でも、良いという人もいれば悪いという人もいる。このように人によって受ける印象や捉え方が変わるのがむしろ人間の…

レビュー:野性の知能 ルイーズ・バレット著 小松淳子訳

われわれは知性というものを脳内の蓄積量のようなものと認識しがちだ。しかし、コンピューターのようにすべてを情報として蓄積しようとするのはけっしてスマートな方法ではない。 動物の本性としての行動観察から、実はすべてを知っている必要はないことが明…

レビュー:企業変革力 ジョン・P・コッター著 梅津祐良訳 

変わらなくてはならない、しかし簡単には変われない、という企業の現実を詳述したもの。特段目新しいわけではなく、当然と言えば当然のはなしで、実感として多くの組織人に共感が得られる内容ではある。 個人的に関心の高いポイントは二点、リーダーシップの…