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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ビッグデータと技術志向

科学と技術の関係については、20世紀の科学の進展が、科学に基づく技術という思考を確たるもの、ゆるぎなきものにした感があります。 いまでこそ、科学技術とも称されるように、科学と技術が連動している、科学をベースに技術が体系だてられることがあたり前…

ビッグデータとインテリジェンス

インテリジェンスの考え方の基本には、情報を征するものが世界を征するといった発想が連綿と続いているように思われます。これは言い換えれば、情報が貴重 資源であって、それを専有できるかどうかで勝負が決まるということです。しかし、ビッグデータへのア…

ビッグデータとつながり

ビッグデータの優れている点はどこにあるのでしょうか。それはデータの中に埋もれている、われわれが思ってもみないような関係性を浮き彫りにしてくれるところです。いわばデータ版のつながりマネジメントといってもいいかもしれません。 これまでいろいろと…

顧客の位置付け 非コントロールなもの

マネジメントは一般的にコントロール中心の概念ですが、最近のソーシャル性の高まりは、コントロールという発想の枠に当てはまらない、非コントロールの領域を強く意識させます。 ここでコントロールということを見直していきますが、それは、自らを核とする…

出発点としての競争

キョウソウと聞いたとき、はじめにイメージされるものは、一般的な「競争」という考え方でしょう。競争戦略だったり、企業間競争だったりと、特別に新しい ものでも、特異なものでもありません。しかし、これは日本社会の特性のあるのかもしれませんが、どう…

サービスデザインの視座

日本におけるサービスのイメージは、接遇やおもてなしなど、ヒューマンタッチの領域と見なされる傾向が強いかもしれません。しかしそれは一面的な特徴を捉えているにすぎません。 ビジネスとは元来、人と人とのつながり、ネットワークをベースに形成されると…

起点としてのデシジョン

デシジョン(意思決定)はマネジメントにおいて必須の要件です。もちろんわれわれはそれほど意識もせず日々意思決定を行っています。マネジメントを体系だてられたプロセスにしていくためには、このデシジョンを意識的につくり込んでいく必要があります。 は…

デシジョンと7つのDとの相関関係

アドバンスト・デシジョンを新たなデシジョンの体系として位置付けたところですが、デシジョンの役割を明確にするためにも、それ以外のアプローチとの相関を見ていきます。 ここでは7つのDとしてコアエッセンスと位置付けている、デザイン、ダイナミック、…

インタラクションとソーシャル性

インタラクションは日本語でいう相互関係です。それだけですとあまり特徴が見えてきませんので、関係性をマネジメントで扱う意義を整理しておきたいと思います。類似の概念として、『チームとコラボレーションの関係性』でも関係基盤の活動を取り上げていま…

エコシステムとしての理解

産業水準の高度化や消費社会の成熟とともに、企業体単独での論理にも限界が見えています。また、情報環境の充実によってビジネススピードが加速していることも、ネットワークを生かした柔軟な取り組みを要請しています。 このように、自社中心の考え方から一…

インテリジェンスを超えて ネクストインテリジェンス

(注)ここで提起するインテリジェンスとは、従来型のインテリジェンスコミュニティを 形成してきた軍事、外交領野のインテリジェンス理解とは一線を画すものです。一般的なビジネスへの応用では、一歩踏み込んだ領域までをインテリジェンス課 題と理解すべ…

チームとコラボレーションの関係性

コラボレーションとインタラクションは類似のものと理解されているかもしれません。ここではそれぞれを特徴づけて分類していきますので、別途『インタラクション』も参照してみてください。 コラボレーションは、同一の目的に向けて一致協力する姿というのが…

ケイパビリティーとリテラシー

ケイパビリティもリテラシーも、一般に日本語では「能力」を表す言葉で、それらの違いはそれほど明確には意識されていないでしょう。 これまでいくつかの稿で、リテラシーをテーマにしてきましたが、そこでは「使いこなす」とか、「体得する」とかいった意味…

成長志向の罠

経営課題を数値化を通じて理解することは、しごく当然の分析手法です。より客観的、理知的に現象を捉えていく上で、定量化することは非常に効果的なもので す。しかし、数字に過度に依存すると、経営の筋道を見えなくする危険性もはらんでいます。数字はもの…

戦略的模倣

イメージの罠 模倣や諜報(インテリジェンス)と聞くと、どうしてもネガティブなものを想像してしまいがちです。もちろんそうした文脈で使われることが多いのも事実です が、特定のイメージに縛られることは、自ら視野を狭くしていきます。無自覚な前提の怖…

リテラシーと経営実践

リテラシーとは端的にいえば知的能力、素養といったものです。 つまり、リテラシーとは事に向かい合う事前準備として、最低限の認識、咀嚼の水準を示しています。これを基に実践行動を組み立てていくという意味で、なくてはならないものですが、それ自体を目…

イニシアチブの射程

経営課題を考える際には、それほど意識されていませんが、自らの采配によって結果が規定されるものだという暗黙の前提があるように思います。もちろん目的 と成果をいかに結びつけるかが問われるという意味で、こうした理解は至極当然なものですが、一般的に…

アドバンストデシジョンの位置づけ

意思決定のサードレイヤーに位置付けられるものがアドバンスト・デシジョンです。 アドバンスト(Advanced)とは進んだ、高次のといった意味合いですが、別にデシジョンを高尚なものとしましょうということではありません。 ただ、われわれが安易に決断とイ…

プラクティカルデシジョンの位置づけ

意思決定のセカンドレイヤーに位置付けられるのがプラクティカル・デシジョンです。 プラクティカル(Practical)とは実際的、リアルといった意味合いですが、なぜいまさらそれを強調する必要があるのでしょうか。 もちろん、意思決定自体も実践的なものです…

プロポーザルデシジョンの位置づけ

意思決定のファーストレイヤーに位置付けられるのがプロポーザル・デシジョンになります。 プロポーザル(Proposal)とは提起、発議といった意味ですが、なぜ意思決定が提起なのでしょうか。 意思決定とは単独でみれば選択肢をひとつに特定するという意味で…

デシジョンの守備範囲はどこまで広がっているか

意思決定はわれわれにとって避けて通れないものです。その意味でビジネスに限らず日常的に向き合わざるをえません。しかし、私たちは意思決定を少し安易に 捉えすぎるきらいがあります。確かにそれを実行するのは自分自身ですから、自分次第で何とでもできる…

アートとデザイン、テクノロジーの差異

別掲『ICT、ナレッジ、インテリジェンス』でも扱ったように、“知”のテーマでは、知と情報の関わりを3者3様な特徴から整理してきました。同様のことが“技”の領域でも当てはまります。一般に技術というとテクノロジーがその代表格とみなされますが、一方で人間…

基本フレーム

はじめに、ここで取り扱うマネジメントの全体的な体系、フレームワークを示しておきたいと思います。 もっとも基本的なプロセスを、大きく4つのステップから整理していきます。 1、目的性に関する領域 ――― 自分たちはなにを ――― 2、戦略に関わる領域 ――― …

脱-競争 古き競争ロジックを超えて

競争といった場合、どういったモデルがイメージされるでしょうか。シンプルに考えるならば、相手に勝つというシナリオに立った、一対一の対決姿勢として理解できるでしょう。現前の直接的な競合や業界一位のライバルに勝つというイメージです。 伝統的な競争…

B to S そして B to M へ

これまでの一般的な競争におけるターゲットといった場合、B to B もしくはB to C という分類がなされてきました。誰と向き合うのか、それは企業組織なのか個人顧客なのか、ということです。 原則として、一回一回が独立した、その場の授受で完結するビジネス…

実行力と想像力

前掲『競争からキョウソウへ』で示したように、キョウソウという世界観を改めてゼロベースで規定し直すとき、そこには大きく二つの志向性が認められます。 ひとつには戦略やインテリジェンスを基盤とするような、押し出しの強い『実行力』であり、もうひとつ…

競争概念を拡張する

生命体が生き残るために日々を賭しているように、人間も、また人間のつくりだした組織も、こうした性から逃れることはできません。物事の複雑さの度合いは 違うかもしれませんが、われわれも生命体のひとつとして、生態系から学ぶ出べきことが多くあります。…

インテリジェンスとケイパビリティ

インテリジェンスに馴染むのは、リテラシーでしょうか、それともケイパビリティでしょうか? インテリジェンス自体が、そもそも知的な能力という意味を内に含んでいますので、さらに類似のリテラシーやケイパビリティと重ね合わせると、かえってわか りにく…

セルフデザイン 人間力の醸成

人間力を高めるとはどういうことでしょう。それは自身をデザインするといってもいいかもしれません。 人間とは常に進化途上にある存在であって、だからこそ自身を意識して磨き続けることが、われわれが“人間”たるゆえんです。ここでいうデザインとは、自らに…

なぜデザインに重きを置くのか

これまで、経営におけるデザインの重要性と協調してきました。ここでは、ビジネスデザインとして目的性を明確に打ち出すことを柱とする、デザインの構成を整理していきます。 ビジネスデザインは、マネジメントプロセスの最上流を担うものとして、大きく3つ…