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脱-競争 古き競争ロジックを超えて

競争といった場合、どういったモデルがイメージされるでしょうか。シンプルに考えるならば、相手に勝つというシナリオに立った、一対一の対決姿勢として理解できるでしょう。現前の直接的な競合や業界一位のライバルに勝つというイメージです。

伝統的な競争関係が2者間の対立的な枠組みとして認識されていたのに対し、ソーシャルでは多者間の折り重なったものとして、アイデンティティでは一者(自分自身)ないし外部から振り返った自省的な枠組みとして状況が認識されるでしょう。

加えて、対置、対決関係という基本コードそのものを見直す視点に立つならば、2者ではなく、もちろん他者でも一者でもない、0者という可能性も想定されま す。0者間の競争とは果たして何を指すのでしょうか。それはもはや競争というロジックを超えてということになるでしょう。いわば、脱-競争とでも表されるステージが視野に入ってきます。

競争とはビジネスにおいて不可欠の要因であればこそ、どうしてもそれに振り回されるという事態が散見されます。脱-競争とは、競争しなくてよいとか、競争 から逃げるという意味ではありません。ただ、あまりにも厳然と存在する競争だからこそ、時にはいったんそれを脇において、視座をリセットすることが有効に なるということです。

競争をキョウソウに転じてみるという中には、こうした意図的に脱-競争をはかることも含まれているのです。

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