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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

意思決定

レビュー:ブルー・オーシャン・シフト W・チャン・キム他著

今や定番のブルー・オーシャン戦略の新刊である。シフトという題目のとおり、ブルー・オーシャン戦略を現場に落とし込んでいくためのツールの活用、ハウツー版といっていいかもしれない。ブルー・オーシャンの理論そのものを押さえるなら前著のほうが体系が…

正解はだれが決めるのか、正解は一つだけか。今、基準自体が問われている

どこかのCMではないけれども、ほんとうに欲しいものはプライスレスなのかもしれない。というよりも、プライスという一基準で単純に判断していいのかが問われているともいえる。 なぜ今、判断の基準が揺らぐのか。 これまではそこまでシビアに考えなくても、…

日本人は不確実性が苦手?!

多様性がある=不確実である、という意味で、社会環境と不確実性は切り離すことができません。しかし、不確実にはネガティブな印象が付きまとっているのも事実で、われわれは本能的にそれを回避しようとする傾向があります。

誰が先頭になってそれを切り開いていくのか

新しいことは魅力的な反面、どうなるかわからない不安の要素も併せ持つ。不確定性はリスクなので、避けたいと考えるのが人情だ。 つまり、新しいこととは、迫られてやるのか、それとも自身の探求としてやるのかで大きく異なる。イノベーションが叫ばれて久し…

問題と問いは大違い、それは自分ごとになっているか

結局はなにごとも自分ごとにできるかどうかがカギを握る。 問題という場合、概して自分の意には反して起こった外部要因といった響きがある。つまり他人ごとなのだ。一方、問いといった場合は、自分がそこにコミットしていなければそもそも発生しない。

意思決定をディレクションに繋ぐ

ディレクションとは一般的に指揮や方向付けということになろうかと思います。ここで押さえるべきポイントは、『方向性』と『具現化』に集約されます。

歴史は吟味を必要とする

歴史の重要性は多くの機会に取り上げられるが、その扱い方まで教えてくれるとは限らない。漫然とそれを受容すればいいだけなら簡単だが、そうもいかない。歴史には相応にバイアスがかかっているからだ。 この歪曲は、悪いことに目をつむり、良いことを過剰に…

引き算と排除は似て非なるもの

昨今の社会の潮流として、不寛容や排除の論理が目立ってきている。ではビジネスにおいてそうした発想はどう交わるのだろうか。 一見すると、選択と集中を掲げる戦略において、いらないものは潔く捨て去るべしといった論理が成立するかに見える。しかし、意思…

現状延長という幻想

意思決定を先送りする方便として、現状延長という物言いがまかり通っているが、よくよく考えるとこれはちょっとおかしなところがある。もし現状延長なる形態がほんとうに成立するならば、それは相当な高尚技巧を要するはずだ。 なぜなら事態は刻々変化する、…

真善美による自己基準を持っているか

いわゆる想定外に振り回されがちな現代にあっては、ありものの基準に漫然と従っていること自体がリスクとなる。 客観か主観かの二元論では客観優位な風潮かもしれないが、その客観が機能しないとすれば、それを補いうる主観の鍛錬が欠かせない。 もちろん社…

ネガティブに浸食されないために

ネガティブらしきものをそのままにネガティブとして受け取ってしまった時点で負けだ。世間では一般的にそれをネガティブというかもしれないが、少なくとも自分にとってそれが真に正負いずれであるかは、けっきょくのところ自分が決める問題である。 不確実性…

捨てるべきものを抱え、拾うべきものを見逃している現実

われわれが正攻法だと思い定めているものはほんとうにそうなのか。そう思いたいから惰性で決め打ちしているだけではないのか。 フラットに見るといっても実際には難しい。理想は曇りのない眼鏡かもしれないが、実際には少なからず曇りある眼鏡とどう付き合っ…

今日の一歩に集中する

毎日できることは何か。たいしたことはないその小さな一片が明日を形づくる。 小さな習慣がすばらしいのは、失敗を恐れる必要がなく、罪の意識を感じずにすむこと。たとえ意思の力を使い果たしていても、やるべき課題は本当に小さなものなので、どうにでもや…

意思決定を支えるもの

中間層が社会の安定化に寄与しているように、中動態の厚みが組織行動の芯を培うのかもしれない。 意思決定というととかく先鋭化された、切れ味の良い、大胆なものがもてはやされがちであるが、能動でもない受動でもない、中庸な領域に、意思決定を受け、それ…

人は間違えるもの

間違えないという過信と、間違えたのなら真摯に改めるという姿勢では、結果が大きく異なる。 前提がずれていては、どんなにいいプランも単なる張りぼて、砂上の楼閣にすぎない。前提を疑い、常日頃から前提の可否を見直す習慣が、信頼を得る行動を醸成する。…

拠りどころを見つめ直す

個々人も、またそれぞれが属する組織も、自身の拠りどころとなる基準点を持っているはずだ。しかし、意識して見直してでもみない限り、漫然とこれまでの延長で済ませてしまうのが常である。自身の基準点がどこにあるのか、それが明確になれば、これからの意…

人口トレンドは処し方次第

人口減への悲観論の裏には、総量的な成長がなければならないという暗黙の前提が隠れている。しかし、前提そのものが崩れている現在、そうした安直な論理に縛られる必然はどこにもない。たまたま20世紀が、右肩上がりの量的拡大を必然とする時代であったにす…

不確実なのはラッキーなことである

不確実というと、『不』が示す通り、一般にはネガティブなワードに分類されますが、ほんとうにそう言い切れるでしょうか。下記にもある通り、不確実だからこそ、経営や意思決定ということに取り組む意義が見出されるという見方も可能なはずです。 近代に移行…

リスクを自ら求めるべき理由とは

リスクとは御しうる中で最大の課題と言い換えることができるかもしれません。いずれにしても「課題」なわけですから、取り組むという選択肢はあっても、逃げ出すという選択肢はないはずです。 代わりの利かない、かけがえのない、非常に価値の高いものだから…

変える戦略、変えない戦略

目につきやすいという意味で、一般的には「変化」に注目が集まりますが、変化とは安定という対比軸があって初めてクローズアップされるものです。もし仮に変化ばかりであれば、それが常態であって、特段変化というものを意識することはないでしょう。 このよ…

選択というバランス感覚に正解はない

一挙両得か、二者択一か。前者であればそのまま突き進めばいいだけですが、後者であればいずれを優先させるかという選択が要請されます。よくwin-winの関係などと言いますが、それは理想形であって、現実には何を、どれだけ妥協できるかといった駆け引きが求…

情報に善し悪しはあるのか

私たちは豊富な情報に恵まれるようになった現代、いかにも情報を駆使して能率を向上させ、高い成果に結び付けている気になっています。 しかし、情報量とマネジメント力が比例するかどうかはまた別の問題です。 適切な意思決定をしようと思えば、情報が重要…

クールとホットの拮抗

現代の技術的進歩の恩恵として、あらゆる面でクールさが増しているように感じられます。このクールさをあえて日本語的に言い換えるならば、論理的や理知的、効率的や最適化といった側面が際立ってきます。スマートということでもあるでしょう。スマホなどの…

変わるではなく、変えるという意志

変化の追及が声高に叫ばれますが、もっとも変化させるべきものは意外と対象として捉えられないものなのかもしれません。 戦略の目指すものとして「現在取り組んでいることから上手く離れる」ケースが少なくありません。 過去何度も上手くいっていることに、…

意思決定とはYesかNoかを単に線引きするだけでいいのか?

わたしたちはものごとを二元論で整理する方法になじんでいます。ありかなしか、白か黒か、効率的にものごとを進めていくには極めて効果的な方法ですが、一方で大事な観点を見落とす危険性もはらんでいます。 たしかに、単純明快で、スパッと割り切れる問題系…

自分は何を前提にしているか?

わたしたちはものごとに対し、過去の経験則に則って効率的に対処する能力に長けています。しかし、その能力が知らず知らずのうちに足を引っ張っていることもあります。 「前提を疑え!」 これがここでのテーマになります。 問題というものは、基本的には何ら…

データは万能ではない

ビッグデータの流行は、メリットも多い一方で、データを過大評価しがちであるという危険性も見逃せません。相関関係が大量にあぶりだされてくることで、何だかわかったような気になってくるものです。 予測は、それが重要であるのと同じ理由で難しい。客観的…

足元の一歩としての意志決定

将来を見据えることと、今を注視することは、決して背反するものではありません。むしろ、現前の一歩を着実に積み重ねていくことで、未来が少しずつ引き寄せられてくるといえるでしょう。 重大な意思決定を迫られたマネジャーが、リソースにも知識にも恵まれ…

意思決定にオフはない

意志決定というと一般的に、先を見据えた未来志向のものと考えがちですが、現状もまた意志決定から切り離すことのできないものです。 新しい何かを始めることだけが、重大な意思決定ではない。現在行っていることを継続するという判断も、同じように重大で、…

不確実性を飼いならすということ

誰しも不確実、不安定なものは避けたいものですが、それは暗に確実安定を求めていることも意味しています。もちろんそういった見込みの確からしさで判断できるものもありますが、未来はすべてを推し量りえないことがデフォルトです。むしろ機会とは、わから…