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自分は何を前提にしているか?

わたしたちはものごとに対し、過去の経験則に則って効率的に対処する能力に長けています。しかし、その能力が知らず知らずのうちに足を引っ張っていることもあります。

前提を疑え!」 これがここでのテーマになります。

問題というものは、基本的には何らかの「線引き」をしてひとつの系を定義しないと解くことができない。したがって、問題解決をするために「線を引く」のは 十分理にかなっている。また「決められた問題を解く」ためには、引かれた線を所与のものとして固定して考える必要がある。 ところがここに根本的なジレンマがある。「問題を解くために引いた線」がまさに「次の問題を引き起こす」のである。それは先に述べたように、ある目的のために概念上引いた線が固定化してしまって、実態の変化と乖離していくことがあるからである。 「アリ型」日本人は、変化に対応できない 東洋経済オンライン

すべての前提が悪いわけではありません。前提とは問題を顕在化させるために欠かせない初期設定の条件です。目的性や志向性と言い換えてもいいかもしれません。

一方で、仮に無自覚に前提を受け入れてしまっているとするならば、それは操り人形と同じことです。自己に何ら決定権を保持しない状態です。責任回避という意味合いでは気楽なものかもしれませんが、マネジメントするのではなく、マネジメントされる側の論理といってもいいでしょう。

前提に使われるのか、前提を使いこなすのか、その違いを意識することが意思決定の出発点でもあるのです。