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情報に善し悪しはあるのか

私たちは豊富な情報に恵まれるようになった現代、いかにも情報を駆使して能率を向上させ、高い成果に結び付けている気になっています。 しかし、情報量とマネジメント力が比例するかどうかはまた別の問題です。

適切な意思決定をしようと思えば、情報が重要な役割を担うことは当然である。しかし、情報があれば意思決定できるのかというとそうではない。 まず、情報がないから意思決定できないというのは、基本的に間違っている。意思決定とは、正解が不明であるときに、さまざまな情報を駆使して、その時点において最適な選択を行うことをいう。二つの選択肢があり、そのいずれかが正しいとわかっているときは、意思決定とは呼ばれない。 情報汚染の時代 高田明典著 KADOKAWA

情報さえあれば答えが自明となるならばこんなに楽なことはありません。ひたすら情報をかき集めさせすれば、自ずと結果を出せるということになってしまいます。この場合、情報というものは(役に立つという意味で)良い情報との見込みが透けて見えます。つまり、情報の側に依存する捉え方です。

一方、われわれの決断に真摯に着眼するならば、情報に良いも悪いもありません。情報自体はフラットなものです。その情報を活かすか殺すか、それは私たちにかかっているのです。 活きた情報と死んだ情報、これが責任を背負って立つものの情報の捉え方の原則といえるでしょう。

手段としての情報の役割を履き違えると、それこそ情報に振り回されることになります。