something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

意思決定とはYesかNoかを単に線引きするだけでいいのか?

わたしたちはものごとを二元論で整理する方法になじんでいます。ありかなしか、白か黒か、効率的にものごとを進めていくには極めて効果的な方法ですが、一方で大事な観点を見落とす危険性もはらんでいます。

たしかに、単純明快で、スパッと割り切れる問題系では、何ら支障はないでしょうが、そこに微妙なニュアンスを見出すことはできません。二者択一とは、一定の犠牲を要求するものでもあります。

フォレットも二元論を超える意味を示唆的に表現しています。

対立―すなわち相違―は、現にそれを避けることのできないものとして存在する。だから、むしろそれを利用することを考えなければならない。われわれは、対立は悪であるとして非難するのではなく、逆に対立をしてわれわれのためになるように働かせるべきである。 対立を処理するには主要な三つの方法がある。それらは、抑圧(domination)、妥協(compromise)、統合(integration)の三つである。 組織行動の原理 動態的管理 M・P・フォレット著

たとえば白か黒かといった場合、当然に中庸的なグレーゾーンが存在します。このグレーという認識も相応に大きな意味を持っていますが、それ以上に盲点なのは、もっと白い、もしくはもっと黒いという領域の話です。

白か黒かという通常の問いかけで、このプラスアルファは見えてきません。なぜなら当初の問いかけが暗黙的に思考の枠組みを固定化させてしまうからです。白か黒かという選択肢はあっても、それ以外は想定すらされなくなるのです。

では、もっと白い、もっと黒いとはどういう意味でしょうか。 実はこの「もっと」というのは単独では見出すことができません。たとえば、真っ黒な背景に白い点を置く、ないしは真っ白な背景に黒い点を置くという、相対的な認識を呼び込んでくるとき、単なる白や黒ではない、強調されたものごとが生起します。

白や黒という一面を注視しているのでは出てこない視点です。これは既存の枠組み飛び越えるという一歩を必要とします。 さて、あなたの既存の枠組みとは何でしょうか…???