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不確実性を飼いならすということ

誰しも不確実、不安定なものは避けたいものですが、それは暗に確実安定を求めていることも意味しています。もちろんそういった見込みの確からしさで判断できるものもありますが、未来はすべてを推し量りえないことがデフォルトです。むしろ機会とは、わからないからこそ生じるとも言えるでしょう。

意思決定は、不確実性との対峙の仕方です。すべての方法論は、この不確実性を減らすプロセスであり、それはすべての思考技術が目指す方向でもあります。 意思決定の質とは結果であり、プロセスの質は関係ありません。ファクトデータをいくら集めようと不確実性が残る意思決定。しかし、その成果はファクトデータで明確に評価される。 意思決定の「質」とは何か ダイヤモンドオンライン

個々の意志決定は確かに明確な帰結を持っていますし、それを検証することも肝要です。しかし、マネジメントは意志決定の集合体であって、常に意思決定し続けることによって担保されるものです。 この『し続ける』という観点からすれば、不確実かどうかは本質ではありません。不確実であろうが無かろうが、状況に真摯に向き合うことが前提となります。

ゲームでいえば、一回ごとに勝敗が明確になるものというよりも、パズルを時間をかけて組み上げていく作業に近いかもしれません。試行錯誤を繰り返しつつも、徐々に画が浮かび上がってくるイメージが、意志決定を紡いでいく経営の全体像とシンクロするものです。

個々の意志決定に着目するならば、それは非常に不安定なものに見えるかもしれません。しかし意思決定し続ける流れを塊として捉えるならば、それは十分に飼いならすことのできるものとして確信を得られるはずです。

これが意思決定の本質といえるでしょう。