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企業体における継続、継承の位置づけ

近年、だいぶ欧米化が進んできたといっても、やはりムラ社会に代表される日本的な近しさというもの抜きに経営を語ることはできないのかもしれません。 日本流などという言い回しはもはや使い古された表現ですが、それが良いか悪いかという極端な二元論から離れてみれば、環境や文化要因がわれわれを方向づけるという事実を真摯に受け止めることができるでしょう。

ファミリービジネスの経営判断においては、優先順位に決定的な差があることを感じる。それは、会社を伸ばすことも大事であるが、それよりも会社が次の世代に生き残ることを優先する経営だ 経営手法が行きつくところまで行っている大手企業を10%伸ばそうとするよりも、経営手法の洗練度が遅れているファミリービジネスを10%伸ばすことのほうがはるかに簡単だ。  「家族経営」が日本を支えている 日経ビジネス

ファミリービジネスについても、それを是か非かで判断するのではなく、それが持つメリット、デメリットを勘案し、活き筋を見出していくことが肝要です。

一般に継続を重視する経営スタイルは、必然として守りの姿勢に傾きがちです。これは目的に継続を位置付けることによるバイアスといってもいいでしょう。しかし、継続は目的というよりも、むしろ結果として見出されるべきものです。この錯誤を的確に回避することが持続的成長につながります。

そのためには、とかく軽視されがちなダイナミズムやダイバーシティを、意図的に創出する仕組みを織り込んでいくことが、組織の活性化を喚起し、結果として継続性を生み出すことになります。