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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

意思決定

限定的な倫理性とは何か?

私たちは自分のことを十分に分かっているつもりですが、むしろ自分のことだからこそ、見えないことがあるのかもしれません。 「限定された倫理性」とは、倫理的に振舞おうという意図はあるのに、実際には倫理に反する行動をとってしまうような現象を生み出す…

そのデータは何を意味するのか?

われわれは測りやすいものを重視するべきでしょうか。それとも測りにくいものこそ意味があると考えるべきでしょうか。 企業は、財務の数字を追うことに何時間も費やす。資産、負債、売上、コスト、そしてキャッシュフロー。だが、ほとんどの企業は、究極的に…

意志決定から逃れることは可能なのか?

情報技術の進展とともに、集合知を活用した予測市場という考え方が広まってきました。 市場原理を活用して、ある意味で意思決定の自動化を進める取り組みといっていいでしょう。 経営者や専門家が将来を決定するのではなく、全ての従業員が投資案件やアイデ…

インサイトが意味するもの

インサイトというとどんなイメージを持たれるでしょうか。 一般にはマーケティング的な側面で、顧客の潜在的なニーズをくみ取るといった使い方が多いかもしれません。ここでは、マネジメントを行う側の意識としてインサイトをとらえなおしてみたいと思います…

起点としてのデシジョン

デシジョン(意思決定)はマネジメントにおいて必須の要件です。もちろんわれわれはそれほど意識もせず日々意思決定を行っています。マネジメントを体系だてられたプロセスにしていくためには、このデシジョンを意識的につくり込んでいく必要があります。 は…

デシジョンと7つのDとの相関関係

アドバンスト・デシジョンを新たなデシジョンの体系として位置付けたところですが、デシジョンの役割を明確にするためにも、それ以外のアプローチとの相関を見ていきます。 ここでは7つのDとしてコアエッセンスと位置付けている、デザイン、ダイナミック、…

インタラクションとソーシャル性

インタラクションは日本語でいう相互関係です。それだけですとあまり特徴が見えてきませんので、関係性をマネジメントで扱う意義を整理しておきたいと思います。類似の概念として、『チームとコラボレーションの関係性』でも関係基盤の活動を取り上げていま…

エコシステムとしての理解

産業水準の高度化や消費社会の成熟とともに、企業体単独での論理にも限界が見えています。また、情報環境の充実によってビジネススピードが加速していることも、ネットワークを生かした柔軟な取り組みを要請しています。 このように、自社中心の考え方から一…

インテリジェンスを超えて ネクストインテリジェンス

(注)ここで提起するインテリジェンスとは、従来型のインテリジェンスコミュニティを 形成してきた軍事、外交領野のインテリジェンス理解とは一線を画すものです。一般的なビジネスへの応用では、一歩踏み込んだ領域までをインテリジェンス課 題と理解すべ…

チームとコラボレーションの関係性

コラボレーションとインタラクションは類似のものと理解されているかもしれません。ここではそれぞれを特徴づけて分類していきますので、別途『インタラクション』も参照してみてください。 コラボレーションは、同一の目的に向けて一致協力する姿というのが…

ケイパビリティーとリテラシー

ケイパビリティもリテラシーも、一般に日本語では「能力」を表す言葉で、それらの違いはそれほど明確には意識されていないでしょう。 これまでいくつかの稿で、リテラシーをテーマにしてきましたが、そこでは「使いこなす」とか、「体得する」とかいった意味…

成長志向の罠

経営課題を数値化を通じて理解することは、しごく当然の分析手法です。より客観的、理知的に現象を捉えていく上で、定量化することは非常に効果的なもので す。しかし、数字に過度に依存すると、経営の筋道を見えなくする危険性もはらんでいます。数字はもの…

戦略的模倣

イメージの罠 模倣や諜報(インテリジェンス)と聞くと、どうしてもネガティブなものを想像してしまいがちです。もちろんそうした文脈で使われることが多いのも事実です が、特定のイメージに縛られることは、自ら視野を狭くしていきます。無自覚な前提の怖…

リテラシーと経営実践

リテラシーとは端的にいえば知的能力、素養といったものです。 つまり、リテラシーとは事に向かい合う事前準備として、最低限の認識、咀嚼の水準を示しています。これを基に実践行動を組み立てていくという意味で、なくてはならないものですが、それ自体を目…

イニシアチブの射程

経営課題を考える際には、それほど意識されていませんが、自らの采配によって結果が規定されるものだという暗黙の前提があるように思います。もちろん目的 と成果をいかに結びつけるかが問われるという意味で、こうした理解は至極当然なものですが、一般的に…

アドバンストデシジョンの位置づけ

意思決定のサードレイヤーに位置付けられるものがアドバンスト・デシジョンです。 アドバンスト(Advanced)とは進んだ、高次のといった意味合いですが、別にデシジョンを高尚なものとしましょうということではありません。 ただ、われわれが安易に決断とイ…

プラクティカルデシジョンの位置づけ

意思決定のセカンドレイヤーに位置付けられるのがプラクティカル・デシジョンです。 プラクティカル(Practical)とは実際的、リアルといった意味合いですが、なぜいまさらそれを強調する必要があるのでしょうか。 もちろん、意思決定自体も実践的なものです…

プロポーザルデシジョンの位置づけ

意思決定のファーストレイヤーに位置付けられるのがプロポーザル・デシジョンになります。 プロポーザル(Proposal)とは提起、発議といった意味ですが、なぜ意思決定が提起なのでしょうか。 意思決定とは単独でみれば選択肢をひとつに特定するという意味で…

デシジョンの守備範囲はどこまで広がっているか

意思決定はわれわれにとって避けて通れないものです。その意味でビジネスに限らず日常的に向き合わざるをえません。しかし、私たちは意思決定を少し安易に 捉えすぎるきらいがあります。確かにそれを実行するのは自分自身ですから、自分次第で何とでもできる…

デシジョンの役割を拡張する

マネジメントの質を確保し、進化させる次世代の成長エンジン アドバンスト・デシジョン 個々のデシジョン(意思決定)とは、断片的なものであり、ある意味では刹那的な印象も持ち合わせています。一点集中で力を発揮するという意味では、経験を含め知的な能…

デシジョンとは デシジョンが意味するもの

デシジョンはマネジメントには欠かせない要因である一方、あまりにも当然なものとして、それ自体の意味が掘り下げられることは少ないかもしれません。 一般的な認識として、それまでの議論を一つの判断、結論に落としこむ意味で、一定のクローザー、収束点と…