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デシジョンの役割を拡張する

マネジメントの質を確保し、進化させる次世代の成長エンジン アドバンスト・デシジョン

個々のデシジョン(意思決定)とは、断片的なものであり、ある意味では刹那的な印象も持ち合わせています。一点集中で力を発揮するという意味では、経験を含め知的な能力が大きく問われるものといえるでしょう。

一方で、マネジメントをデシジョンの折り重なったもの、デシジョン網として理解するならば、ひとつひとつのデシジョンは次につなぐための起点であって、一話完結の終着点ではありません。

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よいデシジョンがよい結果を自動的に意味するなら、それに越したことはありませんが、デシジョンと行動が十分にシンクロしない限り、結果には結びつきません。また、時々刻々変化する環境下において、過去のある時点のデシジョンが未来永劫有効であるという保証もありません。

このように考えてくると、デシジョンとは本来、相当に多くの関連要素と結びついており、また継続的な進化を求められるものでもあります。 これまでのデシジョンは比較的シンプルに意思決定という問題を捉え、それ自体をそれほど深く掘り下げてこなかったかもしれません。しかし、現代の非線形な状況に即したデシジョンの守備範囲は、図にも示した通り、相応に広範な間口を要請されるものです。

ここではそうした新しいデシジョンのあり様を、アドバンスト・デシジョンと名付け、デシジョン力を強化する道筋を探っていきます。

※ここで取り扱うデシジョン(意思決定)とは普遍性のある、誰もが日常的に求められるレベルのものとして扱っていきます。トップマネジメントを想定した、限定性の高いデシジョンに関しては、戦略的意思決定ということで、戦略経営パートで別途取り扱います。