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限定的な倫理性とは何か?

私たちは自分のことを十分に分かっているつもりですが、むしろ自分のことだからこそ、見えないことがあるのかもしれません。

「限定された倫理性」とは、倫理的に振舞おうという意図はあるのに、実際には倫理に反する行動をとってしまうような現象を生み出す原因である。 人が「どう行動したい」と思うかは、その人が「どう行動すべき」だと思っているかとは大きく異なる。あなたは、自分が行動するとき、「どう行動すべき」だと考えているかに従って行動するものと思っているかもしれない。しかし実際の場面になると、多くの場合、「どう行動したい」かに基づいて意思決定を行ってしまう。 倫理の死角 なせ人と企業は判断を誤るのか マックス・H・ベイザーマン、アン・E・テンブランセル

ハーバート・A・サイモンが人間の認知行動に関して、限定的な合理性と言っているように、理想と現実には相応のギャップが存在します。 コンプライアンスに関しても、正しいという理詰めだけでは必ずしも有効打とはなりません。良くも悪くも人間の持つあいまいさ、不完全性を予め織り込んで、一つづつ行動を積み上げていく実直さが求められます。 マネジメントは人間の持つ「限定的な~」側面から目をそむけては成立しないということを、常に頭の片隅に留め置くことが欠かせません。