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情報化は距離感を狭めるのか、拡げるのか?

情報環境の変化に伴って、私たちのコミュニケーションも大きく変質してきています。これを顧客との距離感として読み替えたとき、はたしてそれは近づいているのでしょうか?それとも遠ざかっているのでしょうか?

技術が進歩し、顧客がそれに適応して変化する。また顧客の新たなニーズに技術が対応する、といった具合に技術と顧客の進化が複合的に発展しているのが現状だ。 一方、企業の競争環境も変化している。商品やサービスのスペックで他社との差別化を図るのが難しくなった今、その代わりに顧客との関係性を強化したり、より豊かな体験を提供したりすることが差別化要因になっている。顧客とのコミュニケーションの質が、強力な武器になる時代を迎えているのだ。 共通ゴールを持ち顧客との関係性の“質”を高める 競争力を高めるために企業が取るべき選択 MarkeZine

デジタルは情報の量的拡大に迅速に貢献しますが、人間の感情、感性といったエモーショナルな領域は、必ずしも0、1に分別できないアナログな要素を含みます。 仮に0か1かで明確に切り分けていった場合、関係性とは非常にクールで距離感を意識させるものとなるでしょう。

結果を出す(形にする)ということと、関係性を維持しつつ高めていくことは異なるロジックで構成されていますので、それぞれに対処法が異なります。前者が単一目的なのに対し、後者は複合目的と捉えられます。

距離のあるものを埋めていくかたちには、一つにはその距離を飛び越えていく方法、もう一つには間隙を徐々に詰めていく方法が考えられます。言い換えるならば、自分が相手に近づいていくのか、それとも相手をこちらに引き寄せるのかの違いでもあります。

関係性の問題は、この二つをいかにコントロールして組み合わせていくかという意味で、繊細なかじ取りが求められるものです。