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アドバンストデシジョンの位置づけ

意思決定のサードレイヤーに位置付けられるものがアドバンスト・デシジョンです。

アドバンスト(Advanced)とは進んだ、高次のといった意味合いですが、別にデシジョンを高尚なものとしましょうということではありません。 ただ、われわれが安易に決断とイメージしている以上に、意思決定には多くの関連要因があるということに注意を向けてみましょうということです。意思決定をいま一歩掘り下げて考えてみると言い換えてもいいかもしれません。

意思決定というとさも自分自身で思うようにコントロールしているような印象があるかもしれませんが、実際には、そうせざるを得ない、やむなくそう決断した、といったことも多いはずです。つまり、意思決定とは対外的折衝を通じて、バランス感覚を求められるものでもあるのです。

このようにネットワークに意識を向けることを、ここではアドバンストと表現しています。

前掲の『プラクティカルデシジョン』のエリアをさらに拡張して、ここでは、フィードバックインタラクションを構成要因に取り込んできます。意思決定を進化させる上でフィードバックから学習しなければなりませんし、ステークホルダーにしっかり目配りしていく意味でインタラクションは欠かせません。ここにおいて、意思決定の問題は社会とのつながりにまで敷衍されたといえます。

言い換えるなら、デシジョンとは自社の問題であるとともに、社会における自社の立ち位置を確かめるチェックリストの役割も果たしているのです。