something eureka

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出発点としての競争

キョウソウと聞いたとき、はじめにイメージされるものは、一般的な「競争」という考え方でしょう。競争戦略だったり、企業間競争だったりと、特別に新しい ものでも、特異なものでもありません。しかし、これは日本社会の特性のあるのかもしれませんが、どうも競争ということに真剣に向き合うことには抵抗がある ようです。できれば競争は避けたいという意識が働いているといってもいいでしょう。

それはいわゆる戦うことであったり、敵という認識が、どうも戦争をイメージさせたり、和を尊ぶ日本文化に相容れないと理解されるせいもあるでしょう。 しかし、ビジネスの現場は基本的に戦いです。生き残るためには、他を差し置いてでも、自己を前面に出していく必要があります。

なりふり構わずというと問題もありますが、少なくとも競争を勝ち抜いていくという覚悟やシビアな状況認識をもつこと、いい意味で危機意識や緊張感が必要です。 リアリティをもつという意味で、競争認識は欠かせないものですが、もちろんそれがすべてというわけではありません。通常もっとも身近なところに競争環境は位置付けられますが、競争のロジックも変わることを余儀なくされていきます。

これ以降、より多面的にキョウソウという問題系を扱っていきます。(いろいろなキョウソウ概念が考えられるということで、ここではそれをカタカナで表現しています。キョウソウの全体イメージについては別掲『競争からキョウソウへ』を参照してください)

しかし、ビジネスのファーストステップには競争が厳然と位置付けられるのも事実です。競争を避けて通ることはできません。冷静に今置かれている競争環境を 見つめ直すことではじめて、自社ないし自社ビジネスのこれからを問うことができます。最初の一歩として、競争を乗り越えることが次のキョウソウへいざなっ てくれる手がかりとなるはずです。