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セルフデザイン 人間力の醸成

人間力を高めるとはどういうことでしょう。それは自身をデザインするといってもいいかもしれません。 人間とは常に進化途上にある存在であって、だからこそ自身を意識して磨き続けることが、われわれが“人間”たるゆえんです。ここでいうデザインとは、自らに対する磨きのプロセスを指しています。

人間力の源泉とは、大きく三つの観点から構築されます。 もっとも核に位置づけられる「アイデンティティ」、背景としてガイドラインを示す「リテラシー」、そして実際のオペレーションを担う「シンキング」です。

アイデンティティとは企業ないし組織の根幹であり、心棒ともなる唯一無二の価値観であって、その蓄積が文化という形で脈々と醸成されます。いわゆる老舗など、歴史ある企業はこの確固たる基盤が優位性の源泉に他なりません。

リテラシーとは行動規範、拠りどころとして、一定の行動水準と将来への道すじを示します。適材適所に能力を配置するバランス感覚と、コンテクストとして全 体をまとめ上げる作法を通じて、組織運営の海図として機能するものです。優先順位や選好すべき価値を見極める審美眼がここでは問われることになります。

シンキングとは、実際の具象化を促す思索行動であり、アティテュード(態度)です。現場におけるリアリティは、自身が向かい合うべき対象との境界、最前線 におけるスタンス、対外折衝に集約的に表現されます。外部ないし他者との間合いを推し量る能力として、ホスピタリティをはじめとする順応性や接合力がこれ を牽引していきます。

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