思考が先か、検索が先か
予測変換は、確かに手間を省く利便性を提供する一方、われわれの思考を誘導していく性質も兼ね備えている。
「そう、そう」「これ、これ」と予測の精度に納得する前に、それはその他大勢と同じわだちを踏むことでもあると自覚できているか。素朴な無自覚は意外と罪かもしれない。
オートコンプリートから見えてきた関連ワードを見過ごすのではなく、「どうして」この言葉が表示されたのか考えてみる。すると、偏見やステレオタイプが生まれた社会の背景や歴史を読み取ることができるのではないだろうか。