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思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

学ぶということは失敗の先にある

無駄であるのと、無駄にするの違いはなんでしょう。また、意味がないのと、意味を見出す努力をしていないのでも大きく異なります。失敗という問題も、これらと同様に、いかに認識するかに課題があるものです。

真に新しいイノベーションは、数々の失敗のもとに成り立っている。それは歴史が証明して います。デザインイノベーションでも、技術的イノベーションでも、アートでもそれは同じ。失敗に対して寛容になるというより、「失敗」という行為を再定義 することが必要でしょう。 トーマス・エジソンの「失敗したのではない、うまくいかない99の方法を見つけたのだ」という格言があるように、何かに挑戦して望む結果が出なくても、その経験は次に活かされます。それは失敗ではなく、学びであり、知識なのです。 日本は「クリエイティブな起業家」に投資しよう IDEOのCEO、語る 日経ビジネスオンライン

失敗をはじめとするネガティブ要因に対して、できるだけ距離を置くことで避けて通るという考え方と、それを真正面から捉えて超克していくという二つのアプローチが存在します。リスクに過敏な状況下では、自ずと前者を選好しがちですが、回避するのと解消するのでは、根本的に異なるロジックに従うことを意味します。

リスクを選好するというと、いかにも無謀な冒険を好むかのような印象を抱かれるかもしれません。しかし、その意味するところは、むしろ積極的にリスクにフォーカスすることで、リスクを最小限にコントロールすることを意味しています。

問題とは、実際に問題と認識してはじめて解決への道が開かれるものです。その意味で、問題を直視すること抜きでの対処は考えられません。とかく問題の解決にばかり焦点があてられがちですが、適切な問題の設定ができていれば、問題の大半はすでに解消されているも同然です。

失敗を避けるということは挑戦を避けることと同義です。また、働きかけがあるから、フィードバックを得られるものです。よく人生プラスマイナスゼロといった言い回しがありますが、プラスをつくるためには、その思いを込めた働きかけを必要とします。この場合のマイナスは与える意味でマイナスかも知れませんが、実質的には何らマイナスではないはずです。