something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

経験の罠

見えるものを見ようとしないことは批判され、見るべく努力することが求められるが、そもそも見えないものは話題に上るはずもない。

われわれの認識や理解は経験をもとに構成されるのであるから、もっと経験を積めというのは道理ではある。一方で経験からは導けない領域が厳然と存在すること、そしてそれを見えないながらも認めること。とかく経験は体現してしまっているがゆえに大きな錯誤の引き金になる。

確率の助けを得て説明できる「前例のある未知」、つまりリスクと、「前例のない未知」、言い換えれば「ブラックスワン」を区別していないのだ。後者は、われわれには問題とする出来事が何なのかさえわかっていない可能性があるため、確率など当てはめられない。車輪が発明される確率を判断できないのは、その可能性を思い描いた時点で、あなたは既に車輪を発明しているからである。

情報源: リスクとブラックスワンの決定的な違いを金融の専門家すらわかっていない | 金融に未来はあるか | ダイヤモンド・オンライン