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隔離では物事は解決しない

何か問題があったとき、とかくそうした環境への接触を断てばことは未然に防げるような幻想がある。しかし、問題への距離感を学ばなければ、環境へ的確にコミットしているとは言えない。外部環境は否応なく巻き込まれるから外部なのであって、内と外を切り離す、見ないようにするというのは逃げ以外のなにものでもない。

今どきの子どもは、「知らない人と口をきいてはいけません」と言われて育っているのでしょう。犯罪に巻き込まれる危険性もゼロではないし、ヘンな人というのも確かにいるわけですが、たこつぼから出て、ヘンな人を含む人間の多様性をまったく学習せずに大人になるという潔癖性が貫かれてしまうというのも、いかがなものでしょうか。小さい頃、「神様仏様は人の姿を借りて現れる」と祖母から教わりました。人との出会いとは、神仏との出会い、世界の多様性との出会いです。かつての世の中では、この出会いを幸せに持ち込む、そこに含まれる「リスク」も僥倖としてとらえるという大らかな度量があったと思うのです。

情報源: パリの家には、なぜ「カーテン」がないのか | ヨーロッパ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準