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未来志向の管理とは

「管理」と聞いたとき、あなたはどういった状況を思い浮かべるでしょう。 そこには型にはめていくといった、縛りの強いイメージがあり、創造的なものとは認識しがたいのが通例かもしれません。

しかし、「管理」をそのようなつまらないものに貶めているのは、われわれの思い込みがもたらす結果かもしれません。この点をフォレットは鋭く指摘しています。

かかる将来への透察(insight)を、われわれは経営において、通常、予想(anticipating)と呼んでいる。しかし予想は、予測 (forecasting)ないし予言(predicting)以上のことを意味している。これは、来たるべき情況に即応することよりはるか以上のこと、 すなわち来たるべき情況を創造することを意味する。 経営管理の基礎 自由と調整 M・P・フォレット

このように、フォレットにとっての管理とは、けっして完結的なものではありません。 わたしたちはとかく、ものごとを完成させる、収斂させる、解を特定するといった思考に馴染んでいますので、管理というものもそうした一連の活動とみなしがちです。

しかし、静態的に対象を把捉しようとする姿勢は、必然的に思考の硬直化を招きます。フォレットが言わんとする管理とは、そういった制約的な意味合いとは異なります。

かつての安定した状況に立ち返ろうとするのか、それとも未知なる将来にあえて踏み出していこうとするのか、何を望むのかによって管理というものの位置づけも180度変わってくるはずです。