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不安定が安定を生み出すという逆説

われわれが安心や安定を求めることは、特段否定されるものではありませんが、それを目的とみなして、なんら支障はないでしょうか。地歩を固めようという意志と、すでに凝り固まった地歩とは、似て非なるものです。

成長を目的に据えるならば、単なる現状延長という単線的な理解は、必ずしも上策とは言えません。成長をつかみ取るということは、自ら一歩踏み出すことで、チャレンジするというアプローチを含んでくるものです。

不安定というと、『不』というイメージからも、ネガティブなものと捉えられがちです。しかし、体幹を鍛えるには、不安定な状況に身を置くことが効果的です。

不安というのは、わざわざ探し求めるようなものではありませんが、少しの不安であれば驚くほどメリットがあります。ほんの少し不安や心配があった方が、仕事を終わらせたり、成果を上げたりする後押しになることが多いです。1908年のマウスを使った研究で、作業がとても簡単な時は、不安レベルが上がるにつれてパフォーマンスも上がることが分かりました。 作業が簡単な時は、マウスはコンフォートゾーンにおり、何の不安も感じずに完ぺきに作業をこなしていました。不安レベルが上昇すると、マウスはラーニング ゾーンに入り、パフォーマンスはさらに向上しました。しかし、難しい作業になると、ラーニングゾーンに留まらずに、すぐにパニックゾーンに入り、パフォー マンスが落ちました。 成長するための近道:コンフォートゾーンとは、そして抜けだすには ライフハッカー

ここで求められるロジックは、不安定さを味方につけるということです。

一般には不確実性を排除することが確固たる成果につながるようなイメージがあるかもしれません。しかしその実は、不確実性をうまく利用し尽くした側が成果を得るという、逆転的発想といえるでしょう。

基準をどちらに置くかにも関係しますが、デフォルトを「流動的」と捉えるならば、それに目をそむける姿勢は、責任回避以外の何物でもありません。

あなたにとって不確実性とは近しさを感じるものといえるでしょうか。