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戦略の役割はどう変わっていくのか、いやどう変えていかねばならないか

変化には二通りの位置づけが存在します。それは迫られて対処せざるを得ない「変化」と、先んじて仕掛けていく「変化」です。

企業、組織が変化に向き合ううえでは、何を変えるか、そして何を変えないかの見極めが肝要です。当然、いずれか一方に偏ることは弊害がありますし、そもそもすべてが変化してしまったら、変化という現象を認識することはできません。その意味で、変化と不変はセットで押さえるべき要件です。

最近では、リタ・マグレイスが「競争優位の終焉」で看破したとおり、「一時的競争優位の獲得」の積み重ねが、強い企業を作っている。そして、そのような経営に移行する際に、「戦略」に代わって経営のアンカーになっているのは、いかなる領域でどのような価値を提供していく企業なのかを明確にする、「ブランド ビジョン」となっている。 「日本ブランド」の真の変革へのリーダーシップは誰が担うか――CBO(Chief Brand Officer)の必然性 ダイヤモンドオンライン

変化を主導するものを戦略とするならば、不変を担保する要因がブランドといえるのかもしれません。もちろん、組織もブランドも進化していかなくてはなりませんので、厳密な意味で不変ということはあり得ませんが、対比的に捉えた際に、一貫性を保証するという意味で確かなブランドが意味を為します。

いずれにしても、変化と不変をコントロール下に置いているのか、それとも変化や不変という状況に振り回されているのかでは、天と地ほどの違いがあります。 一般には動きのあるもの、変化に目が向かいがちですが、その対極にある不変についても、ただ漫然と変わらない、変えたくないというのではなく、意識的に狙いをもって変えないという選択が求められるということです。