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デザインとは デザインが意味するもの

デザインは意匠やスタイルなど、製品の外面的な特質として認知されることが多いかもしれません。芸術的側面や技巧的観点が強調されがちなため、マネジメントという経営本体で用いられることはむしろ限定的かもしれません。

しかし、デザインの本質を、 目的を見定め、一貫したシナリオに沿って実践的結果へと導く、包括的かつ継続的な活動である と広く位置づけるとき、それはまさしくマネジメントが探求すべき領域と重なります。 マネジメントを管理と革新の二つの側面で大別するならば、デザインの強調は後者の機能をより一層促進するものと理解できるでしょう。

ここではデザインのエッセンスを5つの細目、 「Passion(意志)」「Vector(志向)」「Embody(実践)」「Life(不断の)」 「Bridge(結節子)」として抽出します。 ここにデザインの持つ「発」の世界観が集約されています。

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ビジネスにおけるデザインといった場合、大きく二つの局面に着目することができるでしょう。 ひとつはコンセプトから目的設定にあたる、当初の方向付けの部分であり、もうひとつは形にすることでの実践的着地点であり、具象化を媒介にメッセージを伝え、相手との距離を縮める意志疎通の働きです。

このようにヘッドとテールを押さえることで、一連のマネジメントプロセスがデザインされます。 スタートの目的領域は、ビジネスの根底をなす最重要パートであるにもかかわらず、これまで培った既存の目的を踏襲するという習慣に引きずられやすい部分でもあります。この慣性力に抗するには、意識的に目的性を検証する仕組みをスタートラインに位置付けられるかが決め手となります。