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ダイアローグとは ダイアローグが意味するところ

ダイアローグ、会話というと平凡、平板な要素に見えるかもしれません。しかし、一見あたり前に見えるものほど難しく、また思いのほか大きなカギを握っていることも多いのです。

対話とは社会の基礎単位でもあります。異質なものどうしをつなぎ合わせ、相互に理解を促し、新たに大きな一つのまとまりを生みだしていく活動が、ダイアローグと言えます。

ここではダイアローグのエッセンスを5つの細目、 「Link(気づき)」「Media(つなぐ)」「Share(貢献)」「Faced(承認)」「Refine(磨き)」として抽出します。 ここにダイアローグの持つ「正視」の世界観が集約されています。

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マネジメントにはすでに対話が織り込まれているのが通例です。この場合、すでに対話がスムーズに機能している前提で、何をなすべきかという問題設定がなされることが多いでしょう。しかし、これは大きな罠です。なぜなら、対話が十分に機能していないためにマネジメントに支障をきたしている例が意外に多いからです。

対話は単なる会話や会議とは違います。それはいま一歩相手に歩み寄ると同時に、自分自身を見つめ、胸襟を開いて対峙する覚悟を必要とします。ダイアローグにおける関係の強度(信頼感)とそこから抽出される成果は比例します。また、それは刹那的な関わりでなく、長期、連動的な関わりが求められる点でも、相応の負荷を強いるものです。同時に、なれ合いになっては元も子もないため、適切なスタンスを確保するための自省的振る舞い(バランス感)も求められます。

このように、マネジメントにおいてダイアローグは大きなウェートを占める基本要因であり、ビジネスを成否を左右するネットワーク効果にも直結します。単なる物理的接触以上のものとして、意識的なつくり込みが要請される点に留意が必要です。