something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

わたしたちが求めてやまない『意味』とは、はたして何なのか?

われわれは自身の行動に意味(意義)を求めますが、それを独立独歩、個人的な問題だと考えるならば、矮小化しすぎかもしれません。

意味というのは、人によって重要性の異なる主観的なものだが、決定的な特質は、それが自分自身よりはもっと多くのものに関係していることだ。意味ある人生をおくる人々は、他者や仕事や人生の意味、あるいは、世の中そのものとつながっていると感じている。人生の意味は1つでない。われわれが日々刻々と経験する意味は、つながりという形態を保ちながら、多様性を備えているのだ。
意味ある生活と幸福な生活は、何らかの形で部分的に重なるが、それらは根本的にまるで違う。意味ある生活をしていると述べた人は、より他人本位であり、具体的には自身を「与える人」だと見なしている。人のために行動することが重要だと語った人は、その暮らしにより多くの意味を感じている

エミリーE.スミス、ジェニファー・アーカー「ミレニアム世代の探求者たち」 現代ビジネス

時代とともに関係の築き方、つながりの仕組みも変化します。他者との関わり方が移ろうということは、われわれの求める『意味』の中身も自ずと影響されるということです。つながりやすくなったことで、意味を追い求めやすくなった半面、つながりの軽さは意味の根底を揺さぶることにもなるでしょう。

逆転して発想してみるなら、どうつながりたいかという観点から自身が追求する意味を見つめなおす契機としてみるのも一考です。個人の中では解消されない問題も、われわれへと対象を広げることで、見通しがきくようになることがあるからです。日本語ではとかく主語はあいまいにそれほど意識されませんが、意味を熟考するうえで、主語の置き換えというのは、意図的に発想を転換するツールになりえます。