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競争からの逃避は可能なのか?

競争と一口にいっても、その形態はさまざまです。他を蹴落として自らだけが生き残るというのはむしろ極端なケースかもしれません。多様なネットワークに重層的に関わりを持つ状況下では、他者にいかに接近できるかが競争要件の核心ともなります。

こう考えたとき、競争と交渉とはニアリーな位置関係にあるといっていいでしょう。

交渉は、人間関係の核心です。人々が関わり合えば必ずそこでは交渉が始まります。言葉によるものであろうとなかろうと、意識的であろうと無意識的であろう と。 もし交渉において協力と信頼がなければ、非常に重い経済的不利益を被ることになります。 わたしの戦略では、対話相手と可能なかぎり多くの情報を共有します。このことは、わたしが先ほど話した人間的つながりをつくるとともに、交渉における成功を保証します。 グーグルの交渉力を磨いた男、スチュアート・ダイアモンドの交渉術 WIRED

競争とは、他者との関係をいかにコントロールしていくかと読み替えることができます。このように考えるならば、それは交渉やイニシアティブとも連動するものです。また、コントロールといっても、“他者を”ではなく、“関係を”コントロールするわけですから、そこには一定の協調性が要請されます。

究極的には競争をなくすことが望ましいのでしょうか? 競争がなくなるとしたら、そこからの学びもなくなることを意味します。競争自体が良い悪いということではなく、そうした環境を十分に咀嚼できていない、消化不良こそが隠れた本質を示しているといえます。