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デフォルトを乗り越えられるか

日本での多様性の議論は一のものを多に広げるという議論になりやすい。人間行動が画一的に捉えられているが故だろう。一方で自然環境が元来「多」であることは存外違和感なく受け入れられている。このことから、必ずしも多様という概念に拒否感があるわけではないことがわかる。

要はダイバーシティ自体の問題ではなく、デフォルト認識の問題なのだ。慣習的に人とはこういうものである、正解はこちらである、といった付和雷同を良しとしてきた結果、硬直的な思考に陥りやすいのだといえる。

たまたまこれまではデフォルトとして一つの方向が定着してきたとの原点に立ち、デフォルトに挑戦していくことが、結果的に多様な思考を生む素地となる。

日本の試験問題はほとんどが正解は一つ。答えがバラエティに富むことはなく、ほかの考え方は認めない。これに対してフランス人はいろいろな考えを尊重し、先生自身もそれ以外は間違っていると言わない。逆に異論を唱えても論理が通っていれば評価する。新たな発想やクリエーティブな動きをたたえる。フランスではむしろバラバラでいい、バラバラが面白いとなるほどだ。

情報源: フランスの試験問題に不正解がない深い理由 | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準