something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

目先の好ましさが抵抗力を失わせる

居心地の良さは私たちの感性を鈍らせる。かく乱要素は一般的に忌避される傾向にあるが、まったくの凪の状態では気づきが得られなくなる。その意味で、好ましいかどうかにかかわらず、毛色の違うものを意識的に引き込んでくることがポイントとなる。

私たちは無意識のうちに「同質性の檻」に自分を閉じ込め、世界を見る周辺視野と自身の選択肢を狭めることになりかねない。その結果、予期せぬ新たな方向からやって来る出来事やトレンドに対して、ますます無防備となり不意を打たれやすくなるのだ。 フィルターバブルの副作用の1つは、セレンディピティ(偶然の出会い。あるいは、それを捕らえ幸運に変える能力)を減少させることだ。 視野と経験を狭める 「フィルターバブル」を打ち破れ ダイヤモンドオンライン

好きなものばかり食していては偏食になるのと同じように、バランスを保つ上では、あえて変化をつけることが必要になる。

とかく便利さは選択を自動化し、自身の好みを極大化する傾向にあるが、「選択する」という審美眼を放棄してしまうことは危険だ。貪欲な雑食性こそが結果として安定に資する早道となる。変化させることでの安定という一見矛盾するような関係性は、求めなければ見出されない。