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キュレーション機能とその役割

キュレーションが指し示す、情報の選別、抽出能力が今後ますます要請されてきそうです。

インテリジェンスでは、情報をいかに収拾し、選別し、整理し、活用するかが問われていますが、情報化の進展と情報技術の進歩により、取得しうる情報の量的拡大は留まることをしりません。こうした状況において、気軽に情報活用とはいっても、そう容易なことではありません。

むしろ現代では、情報量の爆発的増大もあって、いかに多くを集めるかではなく、いかに多くの中から有益、有用なものをチョイスできるかにその主眼が移って います。これまでは情報を保持、保有することで優位性を発揮できたものが、それだけでは用を為さなくなってきたといえるでしょう。むしろ情報の裏にある意 味合いや、情報と情報の間にある関係性といった、情報からはみ出した部分、もしくは情報から研ぎ澄ました部分にこそ意味が求められる時代でもあります。

これは「足し算の論理から引き算の論理への転換」といえる状況です。 インテリジェンスの能力とは、こうした情報外の部分にこそ、意義が認められるべきだと示唆しています。キュレーションとは一般には美術館の展示のような、演出構成能力を指すもので、直接的にインテリジェンスと関連性がある用語ではありませんが、その本質にある“必要なメッセージを紡ぎだす”、“ストーリー性を端的に示す”といった、+αの編集能力が求められるという点で、これからのインテリジェンス具現法の一つとして位置付けることができるでしょう。

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