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ネットかリアルか リアルの重要性

情報技術の進歩は、物理的な制約を取り払い、ネットワーク上での仮想的やりとりへと重心を移行させてきました。利便性という観点からみて、情報化の恩恵は相当に認められますが、それが万能というわけではありません。

インテリジェンスは情報を起源とする発想であり、近年の情報化とダイレクトに結びつきますが、 その真の強みは情報化された内容よりも、情報を介して、もしくは情報の裏に潜む関係性や背景にあるといっても過言ではありません。また情報内容を知ること 以上に、それに基づいていかに決断、行動していくかという点で、主眼は情報世界で完結するのではなく、自ずとリアルへ振り向けられるでしょう。

つまり、インテリジェンスの核心は、いつの時代もリアルにこそあるのであって、手段として進化・充実した情報領域にあるわけではありません。その意味で は、情報化の進展と反比例する形で、情報化が進めば進むほど、インテリジェンスにおけるリアルの重要性は増してくることになります。

現実の社会環境を見ても明らかなように、リアルだけ、ないしはネットだけでものごとを完結させることがベストではありませんし、それが実際求められるわけ でもないでしょう。むしろ、それぞれの機能特性を把握したうえで、いかにしてリアルとネットを使い分けるかが問われてきます。

インテリジェンスという分野においては、情報的な強みがあるからこそ逆にリアルへの振り返りが求められますし、 同時にリアルの充実を求めるからこそ、手段としての情報化も並行して探求されているのです。 言い換えるならば、リアルかネットかの二者択一ではなく、リアルとネットの折衷モデルとして相乗作用を仕掛けていくことがインテリジェンスに問われた課題ともいえるでしょう。

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