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能動的につながるとは。そもそもつながりって何なのか

つながりとは便利な表現だ。なんだかそれだけで正当性を得た気になる。しかし、つながっていることと、それが実際問題、成果につながるかはイコールではない。

現代は否応なくつながってしまうことも多くなってきている。必ずしもつながりたくてつながっているとは限らないのだ。そのなかで、真に意味のあるつながりとは何か、見極めが必要になる。

 つながりには大きく二つの種類がある。強いつながりと弱いつながりだ。一般的には前者をつながりとしてイメージすることが多いだろう。逆に最近のネット上だけの知り合いといった関係は後者かもしれない。

どちらがいいかというのは問題の本筋ではない。どちらにもつながることによる意味や役割が割り振られている。つながりとは少なからず信頼と連動する。信頼が人間社会の紐帯に欠かせない以上、その具象たるつながりの意味は大きい。

では何ゆえに人はつながりを求めるのか。そこには少なからずメリットや効用があるということだろう。もちろん個人的な功利に限らず、社会的福利を含めてということだが。

時間軸で言えば、つながりは将来を引き寄せる。もちろんそこに絶対はないが、暗中模索せざるを得ない未来に、なんらかの取っ掛かりを期待する意味合いは無視できない。さらにつながりはピンポイントというよりも波及効果を生む。友達の友達はみな友達という表現はばかにできない。機会は仕掛けてつくりだしていくものだ。

 

そして、いま顧客が選んだ企業は、顧客とより強い絆、つまり「エンゲージメント」で結びついています。ある調査では、顧客の79%が、『“私”を理解し、大切にしてくれるブランドだけを検討する』と答えています。エンゲージメントが商品やサービスの売れ行きを決めるのです。これが我々の言う「エンゲージメント・エコノミー」です。

情報源: 「エンゲージメント」は気持ちの問題ではない 企業の業績を伸ばす決定的な指標だ ――マルケト スティーブ・ルーカスCEOに聞く|IT insight|ダイヤモンド・オンライン

 

否定しようのない「つながり」という因子だからこそ、漫然と受け入れるのではなく、意識的にコントロールすることが期待される。つながらなければ始まらないけれども、同時に、つながっているからといって始まるわけではない。

一方で、明確な目的に基づいてつながるとなると、つながりは単なる手段に陥ってしまうことにも注意だ。矮小化しすぎているかもしれない。社会的いきものである人間にとって、つながることは至極当たり前の、所与とも呼べるものなので、それを検証することは意外に難しい。

つながりを単体でどうこうしようとするのは逆に難しいのかもしれない。手段としてのつながりもあるし、目的に近いつながりもある。だとすれば、つながりは文脈とセットで初めて意味内容が確定されると理解すべきだろう。われわれの行動の背景には、つながりが縦横に潜んでいると考えると、つながりの意味が少しだけ見えやすくなってくるのかもしれない。