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待てない現代が陥りやすい罠

情報化は量の豊かさを提供してくれるものの、そのスピード感が、私たちに「待てない」事態を引き起こしている。すなわち、答えがすぐに返ってこないという状況に耐えられなくなっている。

その結果、物事を短絡的に原因と結果で紐づけようとする無意識の圧力に振り回されることになる。単なる相関が、さもそれらしい因果にすり替えられるのだ。

こうした時代背景から逃れられない以上、あまりにストレートな因果関係(らしきもの)は、少々疑って、割り引いて考えるくらいでちょうどよい。そもそもそんなに割のいい因果などというものはないのだから…。

私は、かつて記者をしていた経験から、「現実は因果関係にさほど支配されない」という言葉にハッとさせられる。記者が穿った見方をして強引に点と点を結んでしまうことはよくある。行き過ぎると、いわゆる陰謀論につながるが、これも取材の魔物の一つだろう。

情報源: 「フェイクニュース」を本物と勘違いしてしまう人に読んでほしい3冊(塩田 武士) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)