他者依存では空気に飲まれる
プラス×プラスであれば増幅されるが、プラス×マイナスであれば逆方向に反発してしまう。
議論の舞台は何でも解決ボックスではない。個々人が舞台そのものの確立に意識を向けないとすれば、机上の議論は混迷、空転するしかない。
十分に議論したということ自体が言い訳となるようであれば危険信号だ。
でも、本当に熟議や話し合いは個人のバイアスを修正してくれるのだろうか?
どうやらそうでもないようなのだ。この問いをずばり扱っている『賢い組織は「みんな」で決める』(キャス・サンスティーン+リード・ヘイスティ、NTT出版)は、「大局的に見れば、個人の偏見が集団で組織的に正されることはなく、悪化してしまうことのほうが多い」という。