something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

その知は伸び縮みできるか

不正確な中であれば正確さは意味を持つが、正確さがデフォルトになったとき、それはあたり前として無価値に転じる。

事実は伸び縮みしないが、われわれの思考は伸び縮みさせることが可能であるし、それが強みにもなる。正誤判断の相対的意義は低下し、事態の推移にいかにフィットさせられるか、もしくはいかに先んじて手を打てるか、はたまたいかなる組み合わせで様相を転じられるか、などが知の源泉となるだろう。

つまり、固定化された知ではなく、動態的に紐づけられる知が差異を生む。伸縮とは柔軟性であり、また将来への敷衍力なのだ。

いま必要とされているのは、賢さの新たな定義だ。これからの「賢さ」は、より高度な人間の思考と感情の関わりを促すことになる。新たな賢さを決定づけるのは、「何を知っているか」でも、「どのようにして知ったか」でもない。大切なのは、考え方や聞き方、関連づけの仕方、協働、そして学びの質だ。量が質に取って代わられるのだ。そして、その変化により、我々は、認知的・感情的スキルをもっと高いレベルに上げるという困難な仕事に、正面から向き合えるようになるだろう。

情報源: AI時代は「賢さ」の定義が完全に変わる | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー