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主客という二分法を超えて

西洋科学の基本作法からいえば、客観性が重視されるのはあたり前のことといっていいでしょう。一方で、ビジネスは自身が主体的にコミットすることを出発点とするものですので、主の領域が客の領域に押し切られるべきものではありません。

多くの企業で「顧客ニーズの変化に合わせて変わっていこう」なんて掲げられますが、「顧客ニーズ」というマーケティング用語が出てきた瞬間に自分ゴト化して消化することが難しくなり、お題目になりがちです。 スターバックスのコーヒーが飽きられない理由 日経ビジネス

相手との距離感という意味では、一意にベストの数値的距離が存在するわけではなく、時として近づいてみたり、また時には遠目から状況をうかがったりと、常に対峙しながら作りこんでいくものとみるべきかもしれません。

「顧客を知る」のと、「顧客に向きあう」のでは、踏み込み度合いが変わってきます。状況においてどちらを優先するかということはありますが、最終的に目指していくところは何なのか、そこから振り返って捉え直す意味があります。

主客というのは便宜的な区分であって、何かそれが絶対的な観点を示すわけではないことに留意して、上手に主客を織り交ぜることがポイントといえるでしょう。