something eureka

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二兎追うものが三兎を得る?

日本ではいまだものづくりが強調されますが、モノにとらわれすぎて本質を見失っては元も子もありません。

いいモノができた→売れた→もうかった――といった流れではなく、人間の幸せや社会の課題にどのように貢献できるのか。そうしたことに取り組んだ結果、利益を得ている企業が増えてきました。 人はなぜ「コカ・コーラ」や「アップル」の商品を買うのか ビジネスメディア誠

収益性と社会影響を分離して捉えていたのは、一時代前の話です。この両者は背反するものではありません。むしろ両者をうまく結びつけたものこそ、現代に希求されるモノといっていいかもしれません。

確かに、モノに渇望していた時代は、いいモノがすべてであったかもしれません。しかし、モノに飽いた時代にあっては、モノは手段にすぎないのであって、その先にある人々の生活スタイルが問われることになります。

豊かさの基準がすでに変わってしまったということを認識する必要があります。その意味では、持つ持たないというのは瑣末な観点なのかもしれません。今求められるのは、愉しめるか、打ち込めるか、認められるかといった、よりリアリティを反映する観点の比重が大きくなっているということでしょう。

モノ自体が良いとか悪いという次元の話ではなく、モノを通じて何を実現するのかという原点回帰の話でもあるのです。