something eureka

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デザインは自らに向かって指し示す

デザインというと一般的には、外部に向かって発信されるものと捉えられます。その場合、どうしても見栄えの善し悪しが強調されます。もちろんそういう側面も重要ですが、より踏み込んでデザインの役割、可能性をひろく問い直すと何が見えるでしょうか。

デザインの世界にも、ノームコアの潮流がある。これまでのデザインとは、人が自分の外面に個性をもたせようと着飾ることと同様、その定義は外面的なものを指していた。しかし近年のデザインというのは、時代に適切なビジョンを掲げ、その想いのもとにモノをつくるという、より俯瞰的でビジョナリーなデザインをいう。 「個性的=かっこいい」という観念が破壊され、時代は今"ふつう"を欲している 現代ビジネス

もちろんコミュニケーションという意味において、相手に伝わらないものは存在しないも同様であることは事実です。しかし、伝えることにかまけて自己を失ってしまっては本末転倒といえます。

デザインとは道筋を明らかにするものと解釈するならば、それを相手に分かってもらう前段として、自分自身が十分に咀嚼して、体現することが求められます。 デザインとは一見外に向けて発せられる矢印のように見えますが、その実は自分に向かって発せられる(問われている)ものだということでもあるのです。