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個々人の問題としてのインテリジェンス

個人ベースで考えるべきインテリジェンスは、感度を高めることです。 それは、特定の分野というよりも、広く360度でものごとを踏まえる、余裕を併せもつことが期待されます。

厳密な意味で、インテリジェンスが個人的ということはありません。なぜなら、インテリジェンスとは他者との相関を通じて育まれるものだからです。ですから、いわゆる学習という形で習得するというには無理があります。元来的に実践的な性質のものですので、その習得にあっても、実践的な場で構築していく、つねに高めていく姿勢が求められます。

では、そうした性質をもつインテリジェンスを高めていくにはどうすればいいでしょうか。少なくともインテリジェンスにおいて独力で為せるものと為せないものを見定める、基本的なリテラシーの涵養は欠かせません。そのうえで、自己発信をベースに、外部との距離感を縮めていくことが基本になるでしょう。

つまり、環境変化に適応するため、自身の「気づき」を先鋭化していく受け手志向が半分、自身の積極行動を通じ、外部とのコミュニケーションを活性化する送り手思考がもう半分、この両面からのアプローチが求められます。

情報化の進展は、どうしても受け取るものの肥大化を招きがちで、十分に咀嚼が為されなければ、一方的に飽和していきます。それを有用な形に転換するためには、対極にある自己発信の行動化がバランスよく形成される必要があります。

個人ベースでのインテリジェンスの課題は、セルフコントロールという意味合いで、他者との相互交流を明確に位置づけられるかどうかにかかっているといっていいでしょう。

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