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変化志向の起源 起業家精神とシュンペーター

われわれは“変化”という事実にどう向き合えば良いのか。

インテリジェンスが前提とする動的な環境は、まさにシュンペーターが捉えていた前提と一致します。つまり、起業家精神が求められる所以も、変化というものを前向きにとり込んでいく姿勢に他なりません。

これは現代システム論にも通底することで、1970年代以降、システムの認識も静態から動態へと重心を移しています。カオス、複雑系といった流れも当然こ れに同調したものです。いわゆる乱気流環境という認識も70~80年代の情勢を背景とした用語ですが、21世紀の現代においてもなお、“変化をいかに踏ま え、いかに向き合うか”という視点は避けて通れません。

さらに、変化への折り合いの付け方として、枠に収めようとする安定、収斂志向に対し、むしろ積極的に変化を利活用し、促進を図る開放系のアプローチが近年 選好されてきています。このように、インテリジェンスの問題系は、単に情報・諜報分野や智略分野に限定されるわけではなく、同時並行的に起業家精神やシス テム領域との整合性も認められます。特にインテリジェンスを認識レベルから行動レベルへと転化、発展させていくのであれば、経営実践として行動局面を担っ てきた起業家精神イノベーションとの相同性、連携性を考慮しないわけにはいかないでしょう。

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